◇米海軍「ニミッツ」の自尊心にも触れる
2月9日、日本西南部の西太平洋海上で驚くような出来事があった。 核兵器を搭載できるロシアの長距離戦略爆撃機ツポレフ(TU)95が東京から南に数百キロ離れた伊豆諸島付近まで接近したのだ。 領空を侵犯させられたと判断した日本は、F-15戦闘機22機と早期警報機を発進させた。
さらに大きな衝撃はその後だ。 2機のTU-95が、800キロ離れたところで訓練中だった米海軍所属の原子力空母「ニミッツ」の方向へ機首を向けたのだ。 この母艦から出動したF/A-18戦闘機がぴったりとついて威嚇した。 幸い、不祥事はなかったが、日本政府と米国政府はロシアの挑発的な行為に神経を尖らせた。
これは韓国も注目しなければならないことだ。 事件が発生した海域は、韓国商品を積んだ貨物船が巨大市場の北米大陸へ航海するコースだからだ。 帝国主義時代にもそうであったように、航路が遮断されれば貿易も中断する。 こうした点で軍事力の配置や誇示は経済行為の一つだ。 「エコノミスト」はこの事件を軍事関連情報を基礎に再構成する。
2月9日午前7時30分。 日本本州北部の青森県三沢にある北部航空方面隊司令部は非常事態となった。 北海道北東の防空識別圏(ADIZ)に怪しい飛行体が接近するのをレーダーがとらえたからだ。 航空自衛隊を構成する3つの方面軍の一つである北部航空方面隊司令部は、北海道と本州北部をはじめとする日本北部の責任を負う。 日本の北側のロシアを担当するという意味でもある。
▼03年9月28日、アラスカ西部海岸でロシアTU-95Mが接近し、米国空軍のF-15Cイーグル戦闘機が監視飛行している。 TU-95のプロペラが鮮明に見える。
司令部は東京の府中にある航空総隊にこれを報告した。 航空総隊は直ちに戦闘機を発進し、警戒命令を下した。 北部航空方面隊は北海道千歳基地にあるF-15を発進させた。 三沢基地にはF-2とF-4Dがあったが、航空自衛隊が保有する戦闘機のうち最も性能が高いF-15を発進させたのだ。 F-2も、米ロッキードマーティンのF-16をベースに日本の三菱が製造した戦闘機で、高い性能を持つ。
北部航空方面隊は三沢基地にある警戒航空隊にも指示を出し、すでに作戦中の空中警報統制機(AWACS)に加え、追加出動するよう命じた。 航空機はロシアの長距離戦略爆撃機TU-95 2機と確認された。 この爆撃機はいつも2機で作戦を遂行する。 日本航空自衛隊の追撃を受け、TU-95は悠々と日本列島東部の海上を南に飛行した。
日本では毎年2月7日、ロシアと領土紛争を起こしている北方4島(ロシア名:クリル諸島)の返還を要求するデモが行われる。 今年も例外ではなかった。 日本が北方領土と呼ぶこの列島は、1855年2月7日に日本とロシアの間で締結された親善条約に基づき、日本が所有権を確保した。 しかし日本が第2次世界大戦で敗北し、旧ソ連が再び占有した。 この島の領有権をめぐり両国は長い間争っている。 さらに鋭敏な時期にロシアの爆撃機が現れたのだ。
また、この爆撃機はロシア軍事力の復活という象徴性を帯びている。 旧ソ連は当時、米国との核戦争のためこの爆撃機を開発し、全世界を相手に武力示威を行ってきた。 その後、ソ連の崩壊で海外飛行が中断されていたが、最近また再開された。 この爆撃機の海外作戦は、ロシア軍事力がいまや世界を相手に威力を発揮する水準に回復していることを誇示しているのだ。
TU-95爆撃機は、旧ソ連が1956年に実戦配備した長距離戦略爆撃機。 核爆弾を積んで大陸を渡って海を越え、米国やヨーロッパに侵入して爆撃するための用途で開発された。 武器積載量にもよるが、燃料を満たせば1万5000キロまで飛行できる。 ガスタービンでプロペラを回すターボプロップエンジン4基を搭載している。 最高時速は925キロ。
開発から50年を超えているうえ、プロペラ機という点、そして速度が音速以下という点から、この戦闘機は時代遅れという評価も受けている。 しかし4基のジェットエンジンを搭載した米国のB-52と似た任務を果たす戦略爆撃機だ。 核爆弾を積めるということだ。
現在活動中のTU-95の中では90年代に作られたものも多い。 日本がこの日レーダーでとらえたTU-95はTU-95MSであることが確認された。 TU-95MSは空母を攻撃する爆撃機として悪名高い戦略機だ。 空母から2500-3000キロ離れたところからクルーズミサイルで攻撃できるため、相手は警戒を緩めることができない。
最高マッハ4の速度で最大440キロを飛ぶ‘ラドゥガKh-22対艦長距離ミサイル’と、音速で2500-3000キロを飛行する‘ラドゥガKh-55グラナトクルーズミサイル’を装着できるよう内部を変形したからだ。
▶ 「敵の爆撃機2機が母艦に突進する」 露ツポレフ95が日本の海上で挑発…②
▶ 「敵の爆撃機2機が母艦に突進する」 露ツポレフ95が日本の海上で挑発…③
2月9日、日本西南部の西太平洋海上で驚くような出来事があった。 核兵器を搭載できるロシアの長距離戦略爆撃機ツポレフ(TU)95が東京から南に数百キロ離れた伊豆諸島付近まで接近したのだ。 領空を侵犯させられたと判断した日本は、F-15戦闘機22機と早期警報機を発進させた。
さらに大きな衝撃はその後だ。 2機のTU-95が、800キロ離れたところで訓練中だった米海軍所属の原子力空母「ニミッツ」の方向へ機首を向けたのだ。 この母艦から出動したF/A-18戦闘機がぴったりとついて威嚇した。 幸い、不祥事はなかったが、日本政府と米国政府はロシアの挑発的な行為に神経を尖らせた。
これは韓国も注目しなければならないことだ。 事件が発生した海域は、韓国商品を積んだ貨物船が巨大市場の北米大陸へ航海するコースだからだ。 帝国主義時代にもそうであったように、航路が遮断されれば貿易も中断する。 こうした点で軍事力の配置や誇示は経済行為の一つだ。 「エコノミスト」はこの事件を軍事関連情報を基礎に再構成する。
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2月9日午前7時30分。 日本本州北部の青森県三沢にある北部航空方面隊司令部は非常事態となった。 北海道北東の防空識別圏(ADIZ)に怪しい飛行体が接近するのをレーダーがとらえたからだ。 航空自衛隊を構成する3つの方面軍の一つである北部航空方面隊司令部は、北海道と本州北部をはじめとする日本北部の責任を負う。 日本の北側のロシアを担当するという意味でもある。
▼03年9月28日、アラスカ西部海岸でロシアTU-95Mが接近し、米国空軍のF-15Cイーグル戦闘機が監視飛行している。 TU-95のプロペラが鮮明に見える。
司令部は東京の府中にある航空総隊にこれを報告した。 航空総隊は直ちに戦闘機を発進し、警戒命令を下した。 北部航空方面隊は北海道千歳基地にあるF-15を発進させた。 三沢基地にはF-2とF-4Dがあったが、航空自衛隊が保有する戦闘機のうち最も性能が高いF-15を発進させたのだ。 F-2も、米ロッキードマーティンのF-16をベースに日本の三菱が製造した戦闘機で、高い性能を持つ。
北部航空方面隊は三沢基地にある警戒航空隊にも指示を出し、すでに作戦中の空中警報統制機(AWACS)に加え、追加出動するよう命じた。 航空機はロシアの長距離戦略爆撃機TU-95 2機と確認された。 この爆撃機はいつも2機で作戦を遂行する。 日本航空自衛隊の追撃を受け、TU-95は悠々と日本列島東部の海上を南に飛行した。
日本では毎年2月7日、ロシアと領土紛争を起こしている北方4島(ロシア名:クリル諸島)の返還を要求するデモが行われる。 今年も例外ではなかった。 日本が北方領土と呼ぶこの列島は、1855年2月7日に日本とロシアの間で締結された親善条約に基づき、日本が所有権を確保した。 しかし日本が第2次世界大戦で敗北し、旧ソ連が再び占有した。 この島の領有権をめぐり両国は長い間争っている。 さらに鋭敏な時期にロシアの爆撃機が現れたのだ。
また、この爆撃機はロシア軍事力の復活という象徴性を帯びている。 旧ソ連は当時、米国との核戦争のためこの爆撃機を開発し、全世界を相手に武力示威を行ってきた。 その後、ソ連の崩壊で海外飛行が中断されていたが、最近また再開された。 この爆撃機の海外作戦は、ロシア軍事力がいまや世界を相手に威力を発揮する水準に回復していることを誇示しているのだ。
TU-95爆撃機は、旧ソ連が1956年に実戦配備した長距離戦略爆撃機。 核爆弾を積んで大陸を渡って海を越え、米国やヨーロッパに侵入して爆撃するための用途で開発された。 武器積載量にもよるが、燃料を満たせば1万5000キロまで飛行できる。 ガスタービンでプロペラを回すターボプロップエンジン4基を搭載している。 最高時速は925キロ。
開発から50年を超えているうえ、プロペラ機という点、そして速度が音速以下という点から、この戦闘機は時代遅れという評価も受けている。 しかし4基のジェットエンジンを搭載した米国のB-52と似た任務を果たす戦略爆撃機だ。 核爆弾を積めるということだ。
現在活動中のTU-95の中では90年代に作られたものも多い。 日本がこの日レーダーでとらえたTU-95はTU-95MSであることが確認された。 TU-95MSは空母を攻撃する爆撃機として悪名高い戦略機だ。 空母から2500-3000キロ離れたところからクルーズミサイルで攻撃できるため、相手は警戒を緩めることができない。
最高マッハ4の速度で最大440キロを飛ぶ‘ラドゥガKh-22対艦長距離ミサイル’と、音速で2500-3000キロを飛行する‘ラドゥガKh-55グラナトクルーズミサイル’を装着できるよう内部を変形したからだ。
▶ 「敵の爆撃機2機が母艦に突進する」 露ツポレフ95が日本の海上で挑発…②
▶ 「敵の爆撃機2機が母艦に突進する」 露ツポレフ95が日本の海上で挑発…③
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