風力発電のメッカになるか…昨年生産量米国1位
投資増え経済も活況
ジョージ・W・ブッシュ米国大統領と父ブッシュ前大統領はテキサス油田事業で莫大な資金を儲け、これを基盤に政界へ進出した。ロックフェラー家を盛り立てたジョン・ロックフェラーが成長したのも20世紀の初めにテキサスで大規模な油田を発見ことが追い風になった。テキサスを背景にしたハリウッド映画『ジャイアンツ』ではジェット(ジェームス・ディーン)が油田を発見し、成金になると自分が働いていた大農場の主人(ロック・ハドソン)の美しい妻レスリー(エリザベス・テイラー)に腹黒い想いをいだくというストーリーが出てくる。
これまで100年間「石油の大地」として有名だったテキサスが「風力発電の土地」として変身しているとニューヨークタイムズ(NYT)が25日に報道した。テキサス州は昨年風力発電で4356メガワット(MW)の電力を生産し、米国内で1位になった。州全体の電力使用量の3.3%に該当する。2位のカリフォルニア州(2439メガワット)を大きく引き離した。7億ドル(約794億円)が投資された風力発電所は今年1月から10万世帯が使用できるだけの電力を生産している。
州政府も風力発電を積極的に後押ししている。州の公共施設委員会は昨年7月、4年以内に風力で発電した電力を送電できる容量を現在の5倍の水準を上回る2万5000メガワットに拡大するという計画を発表した。このような支援を元に外国の企業がこぞってテキサスに投資している。ドイツのエネルギー会社のエオンはここで風力発電所を運営している。石油メジャーのロイヤル・ダッチ・シェルと米国のエネルギー企業TXUは世界最大規模の3000メガワットの風力発電所をテキサス州のパンハンドルに建設する計画だ。これに対抗してテキサスの石油財閥ブーン・ピッケンズもこの地域に100億ドルを投資し、4000メガワットの風力発電所を建設するという計画を発表した。
活発な投資は地域経済に活力源になっている。カウボーイの帽子などを販売するダンディースのオーナーマーティー・ファウスト氏は「米経済が沈滞し始めたというニュースとは違い、日ごとに事業が繁盛している」と述べ、風力発電への感謝を示した。
テキサスで風力発電が脚光を浴びる理由は大きく4種類あるとはNYTは報道している。風がたくさん吹き、何もない土地が多く、風車を立てやすい。人口が着実に増え、市場が大きくなっているうえに、企業にやさしい環境も追い風になった。石油をみな根こそぎ採掘した油田地帯に風車が建設されもしている。
石油の値段がバレル(158.9リットル)当たり100ドルを上回って代替エネルギーの投資が活発になったことも風力発電が脚光を浴びている理由だ。また風力発電は温室ガスを全く排出せず、無限に再生できるという長所がある。
昨年、米国の風力発電投資は前年より45%増加した90億ドルを記録した。スペインを除いてドイツに続いて2位の風力発電投資国になった。この結果、テキサスが最も貢献したのだ。それでも風力が米国の電力の中で占める割合は1%にすぎない。450万世帯に供給するだけの水準だ。エネルギー調査企業のイマージン・エネルギーリサーチは、2017~2015年には米国の風力発電の投資規模が650億ドルに達すると見通している。
テキサス風力発電
■発電量:4356メガワット(2007年)米国1位(2位は2439メガワットのカリフォルニア)
■テキサス州全体の電力使用量の3.3%を確保
■テキサスの長所:豊富な風、用地の確保が容易、都市の急成長、企業に優遇的な環境
■テキサス公共施設委員会、2012年まで2万5000メガワットの風力電送網を建設
■米国、昨年風力発電に90億ドルを投資し、世界2位の風力発電国
投資増え経済も活況
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ジョージ・W・ブッシュ米国大統領と父ブッシュ前大統領はテキサス油田事業で莫大な資金を儲け、これを基盤に政界へ進出した。ロックフェラー家を盛り立てたジョン・ロックフェラーが成長したのも20世紀の初めにテキサスで大規模な油田を発見ことが追い風になった。テキサスを背景にしたハリウッド映画『ジャイアンツ』ではジェット(ジェームス・ディーン)が油田を発見し、成金になると自分が働いていた大農場の主人(ロック・ハドソン)の美しい妻レスリー(エリザベス・テイラー)に腹黒い想いをいだくというストーリーが出てくる。
これまで100年間「石油の大地」として有名だったテキサスが「風力発電の土地」として変身しているとニューヨークタイムズ(NYT)が25日に報道した。テキサス州は昨年風力発電で4356メガワット(MW)の電力を生産し、米国内で1位になった。州全体の電力使用量の3.3%に該当する。2位のカリフォルニア州(2439メガワット)を大きく引き離した。7億ドル(約794億円)が投資された風力発電所は今年1月から10万世帯が使用できるだけの電力を生産している。
州政府も風力発電を積極的に後押ししている。州の公共施設委員会は昨年7月、4年以内に風力で発電した電力を送電できる容量を現在の5倍の水準を上回る2万5000メガワットに拡大するという計画を発表した。このような支援を元に外国の企業がこぞってテキサスに投資している。ドイツのエネルギー会社のエオンはここで風力発電所を運営している。石油メジャーのロイヤル・ダッチ・シェルと米国のエネルギー企業TXUは世界最大規模の3000メガワットの風力発電所をテキサス州のパンハンドルに建設する計画だ。これに対抗してテキサスの石油財閥ブーン・ピッケンズもこの地域に100億ドルを投資し、4000メガワットの風力発電所を建設するという計画を発表した。
活発な投資は地域経済に活力源になっている。カウボーイの帽子などを販売するダンディースのオーナーマーティー・ファウスト氏は「米経済が沈滞し始めたというニュースとは違い、日ごとに事業が繁盛している」と述べ、風力発電への感謝を示した。
テキサスで風力発電が脚光を浴びる理由は大きく4種類あるとはNYTは報道している。風がたくさん吹き、何もない土地が多く、風車を立てやすい。人口が着実に増え、市場が大きくなっているうえに、企業にやさしい環境も追い風になった。石油をみな根こそぎ採掘した油田地帯に風車が建設されもしている。
石油の値段がバレル(158.9リットル)当たり100ドルを上回って代替エネルギーの投資が活発になったことも風力発電が脚光を浴びている理由だ。また風力発電は温室ガスを全く排出せず、無限に再生できるという長所がある。
昨年、米国の風力発電投資は前年より45%増加した90億ドルを記録した。スペインを除いてドイツに続いて2位の風力発電投資国になった。この結果、テキサスが最も貢献したのだ。それでも風力が米国の電力の中で占める割合は1%にすぎない。450万世帯に供給するだけの水準だ。エネルギー調査企業のイマージン・エネルギーリサーチは、2017~2015年には米国の風力発電の投資規模が650億ドルに達すると見通している。
テキサス風力発電
■発電量:4356メガワット(2007年)米国1位(2位は2439メガワットのカリフォルニア)
■テキサス州全体の電力使用量の3.3%を確保
■テキサスの長所:豊富な風、用地の確保が容易、都市の急成長、企業に優遇的な環境
■テキサス公共施設委員会、2012年まで2万5000メガワットの風力電送網を建設
■米国、昨年風力発電に90億ドルを投資し、世界2位の風力発電国
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