4日午前、ソウルオリンピック大路・蚕室(チャムシル)方面の汝矣島(ヨウィド)区間で車が渋滞している。 乗用車のほとんどが運転手1人しか乗っていない車。 |
4日午前8時。 京畿道光明市下安洞(キョンギド・クァンミョンシ・ハアンドン)に住むキムさん(35)は大方(デバン)駅の地下車道の前で渋滞に巻き込まれている。 ボラメ公園の入口から20分以上、ほとんど進んでいない。 家を出てから50分が過ぎた。 キムさんは「月曜日は必ず混むと分かっているが、車で通勤している。 地下鉄に乗っても通勤時間はほぼ同じだが、バスと地下鉄の乗り換えが面倒臭い」と語った。
周囲の車もほとんど運転手1人だけが乗っている車だった。 取材チームが1時間チェックした結果、汝矣橋を通って汝矣島に入る乗用車1200台のうち996台(83%)が‘運転手1人’だった。
国際原油価格が過去最高値を更新しているが、国内自動車文化は‘低油価時代’の幻想から抜け出せずにいる。 自動車の台数が中大型車を中心に毎年増えているのだ。 昨年末現在、国内の車両登録台数は1634台で、前年に比べて3%以上増えた。
中大型車を好む傾向もそのままだ。 国内の軽自動車(排気量800cc未満)の割合は6.5%と、24-55%を占める先進国とは比較にならない。 国立環境科学院・交通環境研究所のキム・ジョンチュン所長は「自動車が都市大気汚染の主犯。大気汚染とエネルギーの浪費を減らすためには、自動車の利用を自制するのが最も効率的」と語った。
ソウルの場合、1年間に排出される大気汚染物質35万3284トンの67.9%は自動車によるものだ。 地球温暖化を引き起こす二酸化炭素の国内排出量4億4800万トンのうち10%を自動車が排出している。
◇自動車に依存する韓国=06年の国内自動車の年間平均走行距離は2万915キロと、日本の9381キロ(01年)はもちろん、米国の2万185キロ(02年)よりも多い。 人口1人当たり年間6700キロを走行しているということだ。 米国(1万4800キロ、02年)に比べると少ないが、日本(5400キロ)より多い。 日本に比べて走行距離が多いのは、出退勤に利用する人が多いためだと、専門家らは分析している。
都心の車両通行速度が上がらないのも同じ理由からだ。 ソウル大の姜承弼(カン・スンピル)地球環境システム工学部教授は「気楽に出退勤ができるような大衆交通体系をつくることが急務」と指摘した。 郊外と都心を連結する、速い直線・幹線バス体系を作り、無料シャトルバスを運行しなければならない、ということだ。
ソウル産業大の金示坤(キム・シゴン)鉄道経営政策学科教授は「都心の通行料を拡大徴収し、駐車取り締まりを強化すれば、自家用車で市内に出てくるのが難しくなる」とし「英国・日本など先進国でもこうした方法で効果を上げている」と述べた。
◇「大きい車がよい」=韓国では800cc未満の軽自動車の比率が全体乗用車の6.5%(06年)にすぎないが、日本は660cc未満の軽自動車が全体乗用車の24%を占める。 英国(31%)・フランス(39%)・イタリア(55%)の軽自動車比率はもっと高い。
韓国は00-06年、1500cc未満の軽・小型車が占める比率は50.7%から27.5%に減少した。 一方、中・大型車は49.3%から72.5%に増えた。 日本では1500cc未満の軽・小型車が全体の61.4%を占める。
緑色交通運動のミン・マンギ事務処長は「日本の場合、大都市は大衆交通、小都市と農村は軽・小型車を中心に交通体系が整っている」とし「大都市では自家用車を週末にしか利用しないため、年間走行距離は韓国よりも少ない」と述べた。
◇カーシェアリング=先進国では近所の人たちが自動車を共同購入して順番に使用する‘カーシェアリング’が増加している。 1987年にスイスで始まり、現在ではドイツ・フランス・オランダ・デンマークなど18カ国・600都市で施行されている。 利用者は世界で100万人を超える。 カーシェアリングをした場合、1台で7-10台分の効果が生じる、という分析もある。
国内では昨年10月に始まったばかりだ。 ソウル城山洞(ソンサンドン)に住む6世帯が1台の車を購入して利用している。 国内でカーシェアリング事業を推進しているSKエナジーのイウ・ジョンリュル課長は「車が社会的地位の象徴だと考えている韓国人は、他の人たちと一緒に車を使用できるという認識が不足しているようだ」と語った。 このため同社は個人よりも法人を対象に事業を進めている。
イム課長は「カーシェアリングを広めるには、都心の電車駅やターミナル周辺にシェアカーの無料駐車場を設置しなければならない。 政府や地方自治体の支援も必要だ」と強調した。
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