江原道華川郡第7師団将兵が鉄柵前GOPで新型防寒着を着用し、夜間の境界勤務をしている。体感温度が氷点下20度まで下がる最前方だが、将兵は風を入れず服の内側の暖かさは逃さない先端素材の防寒服により寒さに耐えることができるようになった。(写真=キム・サンソン記者) |
旧正月を前にした5日、江原道華川郡(カンウォンド・ファチョングン)陸軍第7師団七星部隊。民間人統制区域が始まる“南方限界線”という表示板を過ぎれば携帯電話も使えない最前方だ。山の尾根と渓谷に沿って鉄柵が果てしなくつながるこの地域のこの日の最低気温は氷点下9度。激しい風で体感温度は氷点下20度まで下がった。
山の上まで険しく続く数百段の階段を歩いて上ってようやく到着する前方観測警戒所(GOP:General Out Post)で将兵が境界勤務交代の準備をしている。
昔なら厚い上下の服を何枚も着るのに手間取っていたヤン・ギョンミン兵長(22)の体の動きが軽い。戦闘服の上に軽く1枚、その上にスキーウェアスタイルの服を1枚、帽子をかぶって終わりだ。
ヤン兵長は「ここの将兵は、軍事分界線に沿って見回ったり、GOPで境界勤務に立ったりして山から吹く風を全身で受けなければならない」とし「しかし最近支給された新型防寒服のおかげで暖かく過ごすことができるようになった」と話した。
◇思い出に消える綿入れ=冬季、軍の将兵の勤務条件改善のために先端素材と機能を揃えた新型防寒服が開発された。陸軍は昨年10月、江原道の最前方にある7、12、22師団に新型防寒服を提供した。
戦闘服の上に着るスキーウェア形態の新型防寒服は、表面は外部からの風を遮断し、内側の湿気は効率的に排出する機能性繊維で製作された。
チョン・ウィヒョン兵長(22)は「鉄柵勤務は、寒さにもかかわらず汗をかくのだが、この汗が冷えるとますます寒さを感じる。でも今回支給された防寒服は湿気もうまく外に出て行くようだ」と話した。防水機能までついて雪や雨もお構いなし。陸軍関係者は「登山服などに使われるゴアテックスに匹敵する素材を使った」と説明した。
新型防寒服の上着の表面も革新的な変化を遂げた。綿の代わりにポリエステル繊維のように軽く、しかも保温性にすぐれた素材に変わった。綿とは違って体にフィットする感触もある。内側には、背中の部分に携帯用カイロなどを3つ入れることができるポケットもついた。“背中が暖かい”軍服が登場したわけだ。
昔なら防寒帽と顔面マスク、耳あて、マフラーなど顔の近くを暖かくするために4つの小道具をつけたが、新型防寒服を着れば、あとは帽子1つかぶればよいというほど機能がアップした。GOPで会ったキム・ジョンウ兵長(23)は「寒くなって雪が降ると故郷にいる母がよく心配してくれたが『もう心配いらないよ』と伝えなくちゃならない」と話した。
◇“ペチカ・ラーメン”は古語=GOP勤務小隊が立って警備する姿も以前と変わっている。昨年、戦闘靴乾燥機が支給された。食器乾燥機のようにも見えるこの乾燥機は、戦闘靴を早く乾かし、殺菌機能も揃えている。新聞紙をしわくちゃにして戦闘靴に入れ、日当たりのいい所に置いておいた風景は昔の軍服務者の思い出として残されることになった。
“ストーブで沸かして木の枝を箸代わりにして食べるインスタントラーメン”は伝説となって久しい。GOP待機警戒所にも電気が入り、将兵はコーヒーポットで湯を沸かしてカップ麺を食べる。ラジエータを設置して山の上の待機警戒所でも体を温めることができるようになったのだ。
チ・サンロク七星部隊補給輸送隊長は「GOP勤務を終えて戻って来る将兵のために温水が深夜でも提供されるなど、前方将兵の勤務環境が以前とは比べものにならないほど改善している」と話した。
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