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高齢化社会に向けて‘快適’再建築を準備中

快適と便宜--。 進藤充宏・多摩ニュータウン都市計画課長が要約した多摩の基本コンセプトだ。 都市をデザインする段階でまず考えたのが自然親和的な住居環境だったと、新藤氏は説明する。

「造成当時、‘自然の中の都市’というイメージをつくろうと考えて容積率を低くし、できるだけ緑地空間を確保した。 中央駅付近を多摩の象徴として別途の景観ガイドラインを作ったのは、快適な環境を造成するためだった」。

進藤氏は、多摩が車道と歩道を分離し、団地と団地を歩道橋でつないだことで、自転車や歩行者に安全な都市になった、と語った。


多摩市が現在最も関心を向けている問題は、住民の高齢化と再建築問題だ。 現在、多摩ニュータウン全体人口のうち65歳以上の高齢者が占める割合は15.1%。 東京都全体の平均値17.9%より低い。

「今は東京都全体の平均より低いが、60歳前半の団塊世代が多いので、今後数年間で高齢者の割合は大きく高まる」。

このため市はエレベーターなどの便宜施設がない小型団地を段階的に高層団地に変えていく計画だ。 進藤氏は再建築で住居環境が良くなれば若者層が流入し、人口構成比のバランスがよくなる、と期待を表した。 高層マンションを建てれば若い人が来るのかという質問に対し、「規制を緩和し、暮らしの拠点となる街を生かす方法を考えている」と答えた。



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