「重病で釜山（プサン）・慶尚南道（キョンサンナムド）の複数の病院を転々としている」「米国に逃避した」「釜山近くの寺で過ごしている」…。

新年に入ってからインターネットで急速に広まっている、いわゆる‘歌手・羅勲児（ナフナ）怪談’だ。このうちの一つの内容は「釜山に入った日本のヤクザにやられ、身体の重要部分に傷害を負った」という内容だ。羅勲児はヤクザが背後にいる人気女優と恋人関係にあり、ヤクザの報復を受けた、という説だ。


これと関連し、釜山の警察と検察が真相調査を行った結果、すべて事実でないことが確認された。釜山地方警察庁広域捜査隊の関係者は１８日、「世間に広まっている噂を一つひとつ確認したが、現在のところデマと推定される」と語った。 この関係者は「噂が広がり、治安に問題があるという非難が出てくることを憂慮し、真相調査を行った」と説明した。

警察が調査した結果、羅勲児は昨年１２月５日に出国し、日本とシンガポールを経てアラブ首長国連邦（ＵＡＥ）に滞在していたが、今月５日、仁川（インチョン）空港を通じて入国した。その後、出国した記録はないという。

医療保険関連記録でも、羅勲児は昨年下半期以降、国内の病院で治療を受けていないことが分かった。噂で言及された釜山・慶尚南道地域の８カ所の病院も調べたが、手術や治療も確認されなかった。

警察は羅勲児の企画会社と公演を主管したイベント会社があるソウルに職員を送り、羅勲児の行方と真否確認に関する追加調査を行っているが、連絡は取れていないという。

羅勲児は昨年３月１６－１９日の日程でソウル世宗（セジョン）文化会館大劇場を借りたが、すでに支払われた数千万ウォンの契約金をあきらめながらも公演をキャンセルした後、潜伏した。歌謡界では、１０余年間にわたり毎年意欲的にコンサートに取り組んできた点に注目し、潜伏の背景をめぐってさまざまな憶測が出回っている。中央日報は羅勲児との接触を図ったが、連絡は取れなかった。

‘怪談’の中の女優として知られる映画俳優のキム・ヘス（３８）は１７日、釈明資料を出し、「舞台で一緒になったことはあるが、噂には全く根拠がない」と明らかにした。