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泰安漁民が自殺「生計立てられない」

忠南泰安郡所遠面蟻項(チュンナム・テアングン・ソウォンミョン・ウィハン)2里に住む男性(66)は、20年前から泰安近海で牡蠣の養殖を営み、生計を維持してきた。この村で最も広い2000平方メートルの牡蠣養殖場を経営し、年間3000万ウォン(約350万円)の所得を上げてきた。このお金で2男1女を育て、結婚させたあとは夫人と暮らしてきた。

しかし昨年12月7日、泰安郡万里浦(マンリポ)近海でタンカーと海上クレーンが衝突、原油が流出する最悪の事故が発生、この事故で牡蠣養殖場にも油の被害が及び、ひどく落ち込んでいたという。

そんな中、10日午前8時10分ごろ、男性は除草剤を飲んだ。飲む直前、近隣に住む息子(34)に電話をかけ「薬を飲んだ。死のうと思う」と話していたことがわかった。家族らによって発見され、病院に運ばれたが、死亡した。


村の住民たちは「流出事故以来、1日も欠かさず油の除去作業をしていたが、政府の支援も補償も遅れ、生計費を心配していた」と話した。9日には隣人たちに「復旧にはあと10~20年かかるというけれど、私たちはどうやって暮らせばいいのか。今タバコを買うお金もない」と訴えたという。

この村のムン・ヨンベ里長は「牡蠣の養殖一筋の人」だとし「原油流出事故さえなければこんなことはなかったのに…」と残念がった。隣に住む親戚のイ・サンギュさんは「昨日まで一緒に除去作業をしてきたのに、一瞬にしてこんなことになってしまった」とし「海を見ながらため息をついていた姿が、はっきりとまだ目に浮かぶ」と話した。

警察は、男性が発見されたとき、除草剤が入ったビンがそばに置いてあったことから、男性が原油流出事故により境遇を悲観し、毒を飲んだ可能性があるとみて正確な事故の経緯を調べている。



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