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<空港ラウンジ>訪朝は国際旅行?国内旅行?

金浦(キンポ)空港で北朝鮮・平壌(ピョンヤン)行きの飛行機が飛ぶ日には、やや変わった風景が演出される。平壌行きの乗客は、金浦空港の国内線庁舎ではなく国際線の庁舎へ向かう。チェックインや手荷物検査などを経た後、パスポートを所持し出国手続きを踏む。

一見海外旅行に向けた手続きのように見える。ところが、その次から異なる。海外旅行者は、出国の手続きを終えた後には、多くの場合、免税店に立ち寄り贈り物を買うなどのショッピングをする。だが、平壌行きの乗客は、同じ手続きを済ませたにもかかわらず、免税店に立ち寄れない。

利用そのものが許されないからだ。金浦空港ではいっそのこと平壌行きの乗客が免税店に入れないよう職員が制止する。万が一、制止にもかかわらず免税店に入り製品を購入したとしても、勘定する際に見せるチケットが平壌行きならば即時に断られる。こうした状況は仁川(インチョン)国際空港でも同じ。


平壌行きの乗客は、海外旅行者と全く同じ手続きを踏みながらも、海外旅行者が自由に立ち寄る免税店には入れない「第三の旅行客」なわけだ。何故こうした状況が起きるのだろうか。訪朝は、海外旅行ではなく国内旅行に見なされるからだ。現行法上、免税店の利用は海外旅行者にのみ許されている。

済州(チェジュ)空港にある国内旅行客のための免税店は例外だ。もちろん、訪朝を「国内旅行」と明文化した規定はない。関税庁の説明によると、南北(韓国・北朝鮮)交流協力に関する法律では、北朝鮮産の物品は国内取引に見なし関税を課しない、という規定を根拠に、訪朝を国内旅行に解釈している、とのこと。

2000年代初めに金剛山(クムガンサン)観光事業が本格的に検討されていた当時、財政経済部・関税庁・統一部など関連省庁が集まり、悩んだすえに下した結論だという。国内旅行なのに出入国の手続きを踏むのは、海外旅行のように「訪朝できる基本条件を備えているか」を確認するためだ、とのこと。

南北間の航空機運航は、2000年・南北首脳会談の当時に初めて直行便が導入された後、年々増えており、昨年には88回を往復した。主に政府機関や宗教団体、民間団体などが南北交流のレベルからチャーター便を利用する。韓国側では、大韓航空とアシアナ航空、また最近では済州航空などを利用している。

北朝鮮を訪問する旅行者が利用できる免税店が全くないわけではない。今年5月に韓国観光公社が金剛山にオープンした免税店がある。同店は、金剛山観光の活性化に向け特別に許可されたもので、済州空港・免税店と似たようなケース。南北間の航空交流がさらに拡大し、乗客の便宜を配慮する方向に政策が旋回しない限り、訪朝する旅行者は当分「第三の旅行客」の身分を免じがたいようだ。



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