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1895年に空気注入式タイヤを発明したのはフランス人のアンドレ・ミシュランだった。 彼が成し遂げたもう一つの業績は‘ミシュラン(Michelin)ガイドブック’の創刊だった。
1900年に創刊されたこの案内書はもともと、旅行中にタイヤがパンクした時に修理を受けられる工場、ガソリンスタンドやホテルなどを案内する無料冊子だった。 自動車を利用した旅行産業を発展させ、なんとかミシュラン社のタイヤをたくさん売ろうというのが主な目的だった。
有料に転換した20年代半ばからは、身分を隠した調査員がレストランやホテルを訪れ、等級を星の数で付けた。 一ツ星は「その分野で特においしい食べ物を提供するところ」、二ツ星は「遠くからでも訪れる価値のある立派なところ」、最高評価の三ツ星は「わざわざその店を訪れる価値がある卓越したところ」だ。 審査対象になった全世界1万6150カ所のレストランのうち、星が一つでも付いているところは現在1606カ所(9.9%)だ。 三ツ星は56カ所(0.3%)にすぎない。 まさに限られたところだ。
調査員はレストランやホテルなどで5年以上勤めたプロ。 評価対象は味に限定している。 材料の質、料理法や味付けの完成度、個性、価格や質の均衡、一貫性という5項目が評価基準となる。 二ツ星になれば売り上げが少なくとも20%増え、三ツ星なら3-6カ月前に予約して待たなければならない。
最近、日本の飲食店が騒がしくなっている。 ミシュランアジアが初めて東京のレストランやホテルに対する審査を終え、その結果を今週発表するからだ。 ミシュランの調査員は東京内の1300カ所の飲食店と50カ所のホテルを客を装いながら回った。 三ツ星が何カ所出てくるかが最大の関心事だ。
しかし日本伝統料理家からは反発の声が強い。 料理は食べ物だけでなく、食べ物を盛る器、店の装飾や雰囲気などが結合した総合芸術作品と考えているからだ。 創業数百年の自尊心の強い日本料理店の一部は一切のミシュラン掲載を事前に拒んだ。
1カ月後に迫った韓国大統領選挙政局がBBKキム・キョンジュンの帰国でピークを迎えている。 有権者の立場としては終盤の審査段階だ。 日本伝統料理店の主張のように、あれこれすべてを評価するのは難しいかもしれない。 しかしミシュランが要求する‘核心5項目’だけは徹底的に検証しなければならない。 人性(材料)、政策(料理法)、独創性(個性)、相対的好感度(価格と食べ物の質の均衡)、真実性(一貫性)がそれだ。 私たち全員が1カ月間、ミシュランの調査員になってみようではないか。
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