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米海軍が6日、ミサイル防御(MD)システムを利用して仮想敵国の短距離弾道ミサイル2機を同時に落とす要撃実験に初めて成功した。
米軍は北朝鮮とイランのミサイル攻撃に備えるため、このような実験を行った。実験は、ハワイのカウイ島バキンセンズミサイル訓練場から数分おきに2機の短距離弾道ミサイルを発射した後、海上で要撃ミサイル2機を発射し、大気圏外である100マイル(約161キロ)上空から落とす方式で行われた。
この日の実験は敵のミサイルを追跡して要撃するイージスシステムを取り揃えた9600トン級誘導ミサイル巡洋艦であるレイク・エリー艦が主導したと弾道ミサイル防御プログラム局長であるエーロン・ヒックス将軍が7日、明らかにした。米国が2つの短距離弾道ミサイルを同時に要撃する実験に成功したことは今回が初めてだ。米国は今年の4月、仮想敵国と仮想敵機でそれぞれ同時に発射された短距離弾道ミサイル1機と巡航ミサイル1機を要撃する実験に成功したことはある。AP通信は「弾道ミサイルは通常音速以下で飛行する巡航ミサイルよりずっと速い超音速の速度でもっと高い高度を飛ぶため、要撃するのが難しい」とし「米軍が高難度実験に成功した」と評価した。
ヒックス将軍は「敵が実際の状況で米国と米国の同盟国を狙って弾道ミサイルを1つだけ発射しないという点を念頭に置いて実験した」とし「我々が2つ以上のミサイルを同時に要撃することができる能力を取り揃えているということを確認するのは非常に重要だ」と述べた。この日の実験はイージスシステムを土台に実施した13回目弾道ミサイル要撃実験で、このうち10、11回目の成功記録をうち立てた。リチャード・レナーMDAスポークスマンは「レイク・エリー艦の乗務員たちが警戒状態に入ってはいたが、仮想敵国の標的ミサイルがいつ発射されるか正確に分からない状況で実験が行われた」とし「2つの弾道ミサイルはほとんど同時に要撃された」と明らかにした。米海軍は2009年まで16隻のイージス駆逐艦、巡洋艦を太平洋艦隊に配置するという計画を立てている。
6日の実験には初めて日本の海上自衛隊が参加した。海上自衛隊はイージス駆逐艦であるこんごう艦を派遣し、標的ミサイルを探知して追跡する作業を遂行した。来月末にはハワイ海上で初めてイージスシステムを活用して北朝鮮の仮想ミサイルを要撃する要撃実験をする予定だ。
一方、米上下院は来年国防予算を4600億ドルと策定し、このうちヨーロッパにミサイル防衛システムを構築するために3億1000万ドルを割り当てた。しかしポーランドにMD用要撃ミサイル基地を作るための予算8500万ドルは削減することにした。これによってポーランドに10機の要撃ミサイルを配置することができる基地を作り、チェコにMDレーダー網を構築しようとする米国の計画は支障を来たすことになった。
米国のヨーロッパMD建設計画に、ロシアは核戦力の武力化を憂慮して強く反発してきた。
◆ミサイル防衛(MD)システム=敵のミサイル攻撃をあらかじめ感知して要撃する武器、技術及びネットワーク。主に対弾道弾を利用する。通常核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイル(ICBM)を対象にするが、核弾頭を積まない短距離戦略ミサイルまたは戦域ミサイルも包括する。韓国は米国のMD体制構築に参加していない。
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