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日本政界が荒波に包まれた。辞意を発表した安倍晋三首相の強い後継者として浮上した麻生太郎自民党幹事長に代わって福田康夫元官房長官が、多くの派閥の支持を得て「単独1位」に急浮上した。
12日、電撃辞意を表明した安倍氏は13日午前、病院に入院した。安倍首相を診察した慶応大学病院関係者は記者会見で「明らかな異常はないが十二指腸と胃に機能的障害がある」とし「肉体的疲労とストレスによる‘機能性胃腸障害’が悪化している」と発表した。
後継者にまず手を挙げたのは党内第2派閥である津島派の重鎮額賀福志郎財務相だ。‘次期 1順位’と呼ばれた麻生幹事長は福田前長官の勢いに押され、13日宣言することにした出馬を一時保留にした。
◆「福田大勢論」拡大=楽勝が予想された麻生幹事長に激しい向かい風が吹いた。流れは2つの分岐点だった。まず7月29日、参議院選挙当日の夜、いちばん先に安倍首相に「退めるな」と言った当事者が首相の席に上がってはいけないという声が大きくなり始めた。麻生幹事長としては「16人のミニ派閥」という限界にぶつかったわけだ。
もう1つは党内最大系譜である町村派所属福田元官房長官がこれまでの消極的姿勢を脱して出馬の意を固めたことだ。福田氏は安倍氏のと同系譜ながらも一定の距離を置いてきたため‘差別性’を対内外に誇示することができるという長所がある。「石橋を叩いて渡る」性格の福田氏が出馬を固めたのは町村派の後援、森喜朗元首相が派閥間の水面下の調整作業をすでに終えたと解釈することができることから注目される。
福田元官房長官の出馬で、アジア外交を重視する第3派閥古賀派、第4派閥山崎派も13日夜に集まって福田氏を支持すると決めた。また総裁選挙で3位となった谷垣禎一元財務相も‘福田支持’に回った。小泉純一郎前首相もこの日「私は100%(選挙に)出ない」と述べている。彼は側近を通じて同じ派閥である福田氏の支持を表明した。わずか1日で麻生幹事長包囲網が形成され「福田大勢論」が造成されたのだ。
当初、麻生幹事長は大衆的人気があり速戦即決という戦略だった。しかし、福田元官房長官の突然の出馬で、少なくとも国会議員たちの支持構図はひっくり返った感じだ。新総裁選挙は党所属国会議員387人と地方組職代表141人を合わせた528票で決まる。窮地に追い込まれた麻生氏の対応が注目される。
◆福田康夫氏=6選議員で福田赳夫元首相の息子。早稲田大学経済学科出身で、父親の秘書官として政界に入門した。韓中との関係を重視するハト派で歴代最長寿官房長官を務めた。
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