イギリス系銀行であるＨＳＢＣは、米国系投資ファンドローンスターが保有した外換銀行持分５１．０２％を６３億ドルの条件付き買収することで合意したと３日、明らかにした。

ＨＳＢＣホールディングスとローンスターは株式取得申込書が金融監督委員会の承認を受けることができなければ契約を無効にすることができるという条件をつけた。

これに対して金監委は外換銀行安値売却疑惑と関連した裁判所の判決が出るまでは売却を承認することができないという以前の考えを伝えた。


◆ＨＳＢＣ、外換銀行買収で合意＝ＨＳＢＣは「ローンスターが保有した外換銀行持分買収が完了した場合、現金６３億１７００万ドルを支給することで合意した」と明らかにした。またＨＳＢＣは来年１月３１日以後、取引が完了すれば１億３３００万ドルを追加支給することにした。全売却代金を合わせれば１株当たり１万８０４５ウォンになる。これは３日、外換銀行終値（１万４６００ウォン）より高い価格だ。

取引が行われればローンスターは外換銀行に２兆１５４７億ウォンを投資してから４年目で５兆４０００億ウォンの差益（すでに配当・持分売却で受けた１兆５４６９億ウォン含む）を手にすることになる。

ＨＳＢＣは「買収が完了してからも外換銀行の取引所上場を維持し、外換銀行商号もそのまま使う方針」とし「輸出入銀行が保有する外換銀行持分６．２５％も同じ条件で買収することができる」と話した。しかしＨＳＢＣは、他の株主たちが保有した株式の公開買付はしないことにしている。

ＨＳＢＣは外換銀行買収が完了するためには金監委と公正取引委員会など韓国政府機関の承認を含むさまざまな条件を満たさなければならないと説明した。取引契約によると株式取得承認のための正式申込書が来年１月３１日まで金監委に提出されない場合、ローンスターが契約を解約することができる。来年４月３０日まで買収が完了しなければ、当事者一方による契約解約が可能だという条項も含まれている。

ＨＳＢＣは「外換銀行を引き受ければアジア・太平洋市場でＨＳＢＣの立場がますます強くなる」とし「個人金融からクレジットカードまで専門的サービス範囲を拡大する機会を提供できるようになる」と話している。

◆金監委「裁判所判決まで売却承認せず」＝金監委ホン・ヨンマン広報管理官は「現在、外換銀行売却と外換カード株価操作事件に対する裁判が進行中」とし「裁判に関連する法的な不確実性が解消されるまで（ＨＳＢＣの）外換銀行買収承認を検討することは難しい」と述べた。ホン管理官は「裁判結果によって利害関係者に大きな影響を及ぼす。外換銀行売却承認は内外国人を問わず慎重に判断しなければならない」と警告した。

金監委高位関係者は「一部で裁判所に係留された事件と買収承認問題は直接的なつながりがないと主張するが、事実と違う」とし「国際決済銀行（ＢＩＳ）の比率操作についてなど敏感な事案がかかっているだけに裁判所の判断が必要だ」と述べた。

ホン管理官は「（外換銀行売却承認保留を）番外者の情緒と国内金融機関の差別で指摘することは正しくない」とし「金融当局は２００４年（米国系プライベート・エクイティファンド）カーライルグループの韓美（ハンミ）銀行買収と２００５年ニューブリッジキャピタルの第一銀行買収申し込みを認可したことがある」と説明した。

これまで外換銀行買収を打診してきた国民銀行、ハナ金融持株、農協など国内金融会社は ＨＳＢＣの外換銀行条件付き買収の動きに緊張している。国民銀行側は「ひとまず事態推移を見守る」とし、ハナ金融地持株は「裁判所の判決後に買収承認を決めるとした監督当局の立場に注目する」としている。

◆ＨＳＢＣ=グループの前身は１８６５年に設立された香港上海銀行だ。イギリスロンドンに本社がありヨーロッパ、アジア、米州を含む世界８３カ国に１万の支店、事務所を運営している。アメリカのシティ銀行に続く世界第２位の銀行だ。韓国とは１８９７年済物浦（チェムルポ、仁川）に事務所を開設したのが最初だが、日帝時代に支店を閉鎖している。以後１９８４年、ソウルに事務所を開き、本格的な韓国営業を始めた。現在、全国に１１支店と４の企業金融センターを運営している。