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「体は女性、戸籍は男性」性転換者の入営は?

女性として生まれたキム某さん(29)は昨年9月、裁判所決定を受けて男性に戸籍を訂正した。しかしまだ女性の生殖器を男性のものに変えていない。持病で体が衰弱し、性転換手術が不可能だったからだ。戸籍上男性となった金さんに2カ月後、徴兵検査通知書が来た。

身体検査を担当した軍医は彼を外部と遮断された別室に連れていった。軍医は「ズボンを下ろしてくれ」と要求した。生殖器の有無を直接確認しなければならないという理由だった。金さんはすったもんだの末に要求に応じたが、羞恥心をこらえることができなかった。キムさんは今年の2月「裁判所決定文と診断書を提出して性転換事実が分かるにもかかわらず、敢えて隠密な身体部位の露出を強要した」として人権委に陳情書を提出した。

人権委は20日、キムさんの陳情を受け入れ、国防部長官と兵務庁長に性転換者に対する徴兵検査制度を改めることを勧告したと明らかにした。人権委関係者は「今回の身体検査は違法ではないが、一般人と違い特殊な身体を持った人には人格権の侵害に当たる」と指摘した。


「体は女性なのに戸籍は男性」である性転換者の徴兵検査をめぐり国防部と兵務庁は当惑している。担当軍医と兵務庁は「検査が必要だと判断され、規定によって本人の同意を受け他人が見られない所で実施したため問題はない」と話した。

◆増える性転換者、規定はそのまま=裁判所から性転換を認められて戸籍を訂正する人が毎年増えている。昨年だけで73人が男性または女性に生まれかわった。このうち「男性から女性への性転換者(MT、Male To Female)」は兵役義務者から自動的に除かれる。法律上兵役の義務がない女性だと認められるからだ。一方、キムさんのように「女性から男性への性転換者(FTM、Female To Male)」は30歳未満の場合、兵役の義務者として徴兵検査を受けなければならない。

現行の身体検査規則には性転換者に対する別途規定がない。男性生殖器である睾丸、陰茎の有無によって兵役等級を決める方法だ。しかし、手術した性転換者の「人工生殖器」は認めない。

したがって性転換手術を受けて男性生殖器を持った性転換者たちも5.6級の判定を受けて軍役が免除される。今年6月まで4人の性転換者が徴兵検査を通じて免除判定を受けた。

国防省は一応人権委勧告を受け入れるという態度だ。イ・ソンジュ国防部人権チーム長は「性転換者数が増える点を考慮して関連部署が改善策を論議中」と明らかにした。しかし「男性の医師に診てもらう女性も多いのに軍医が体を見るのに何が問題なのか」という軍の内部の反論も激しいということだ。



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