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<野球>金杞泰コーチ「李承?はすでに最高の選手」

観客席から歓声が上がった。 グラウンドに飛び出していきたくなった。 自分のことのようにうれしかった。 ‘後輩’李承燁(イ・スンヨプ、31、読売ジャイアンツ)が後半戦の開幕戦に、それも2打席連続で本塁打を放ち、不振から抜け出したからだ。 しかし‘先輩’の席はダグアウトではなかった。 ‘1軍打撃コーチ補佐’の金杞泰(キム・キテ、38)。 選手団エントリーに入れず、彼の席はダグアウトの後ろだった。 本塁打の場面は画面で見た。

試合が終わった後、先輩は後輩に「承燁、おめでとう」と言いながら肩をたたいた。 「先輩、ありがとうございます」と李承燁は礼を言った。 短い会話だったが、心からの言葉だった。 関節炎の指がどれほど痛いか、打撃感覚はどうかという話は必要なかった。 本塁打を打ち、それを確認するだけで十分だった。

「承燁はすでに野球の技術では最高の選手だ。 誰よりも自分の状態をよく知り、何をすべきかもよく分かっている」。金コーチの言葉だ。 24日の横浜戦。左手親指の痛みを減らそうとプロテクターをつけたのも李承燁本人の考えだったと、金コーチは伝えた。 「指の負傷もかなり良くなっている」と話した。


金コーチは中央日報との電話インタビューで「私はそばでリラックスさせるだけだ」と語った。 負傷と不振に苦しむ李承燁が精神的な安定を取り戻せるよう支えるのが自分の役割ということだ。 読売球団が2軍育成軍のコーチだった金杞泰を1軍に電撃昇格させたのもこのためだ。

後半戦の開幕戦を控えて2人は一緒に夕食をとった。 この席で2人は「お互い後悔するようなことはないように頑張ろう」と誓った。 自分の本心を語り合うのは簡単なことではない。 信頼があってこそ可能なことだ。

李承燁にとって金杞泰は‘兄貴’だ。 李承燁は99年から01年まで三星で金杞泰と一緒に過ごした。 当代最高の左打者としてサンバンウルから移籍してきた金杞泰は特有のカリスマで後輩をリ―ドした。 当時、金杞泰は主将を務め、李承燁に「練習に励み、礼儀正しく行動しろ」と強調していたという。 手本を示す先輩の言葉と行動を李承燁は見習っていた。

こうした縁から金コーチは読売で研修する機会をつかむことになった。 李承燁は昨年11月、読売と契約した際、韓国人コーチが研修を受けるという条件が受け入れられ、金コーチが最初の研修生になったのだ。



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