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【社説】ハンナラ党の新しい対北政策、安保が優先だ

野党ハンナラ党が一昨日発表した新しい北朝鮮関連政策の「韓半島平和ビジョン」は、対北朝鮮認識の一大転換点であることから、大きく注目される。

北朝鮮を一つの体制に認め、積極的かつ攻勢的に北朝鮮を開放・改革の場へ導き出したい、とのことだ。とりわけ、これまで金科玉条としてきた相互主義の原則を事実上放棄した点は、コペルニクス的な発想の転換といえる。年末の大統領選を控えて、ハンナラ党が党のアイデンティティーと噛みあった対北政策を全面的に修正したことについて、色んな評価が出ざるを得ない。

「反統一勢力」のイメージをなくすことで「北風」(国家安全企画部を中心にして作為的に北朝鮮の脅威を流すことによって、選挙を与党に有利なようにするという疑惑)を事前に遮断し、大衆の票を獲得するための「対北ポピュリズム(大衆迎合主義)」、との見方がある半面、自らアイデンティティーを否定する無原則な路線変更、と批判する声もある。


「大統領選向け」だから、いつまた変わるか分からないとし真正性を疑う見方もある。環境の変化によって政策は変わらざるを得ない。とくに、政権を取るのを目ざしている政党が、得票に有利な方向に政策を変えるのはあまりにも当然なことだ。今年2月13日に中国北京で開催された6カ国協議での合意が履行段階に入り、韓半島情勢が緊迫化する状況で、ハンナラ党だけが手放しているわけにもいかない。

ハンナラ党の新しい対北政策は、環境変化に備えようとする積極的な努力の産物、と評価したい。ただし、一貫性の維持を要請したい。そのいかなる対北政策も、体制守護の必す条件である確固たる安保に基づくものでなければならない。当然、対北政策で最優先すべき順位は北朝鮮の核廃棄であるべきだ。

しかし、ハンナラ党の新政策に含まれた▽対北送電▽ソウル~平壌(ピョンヤン)経済代表部の設置▽年間15万トンのコメ支援▽年間3万人の北朝鮮産業研修生の誘致--など各種の対北支援策は、核廃棄の進み具合などと連係しているかどうかがはっきりしていない。北核問題は柔軟性が介入する余地のない国家安全保障の問題だ。その点についての悩みと省察がさらに必要なものと思われる。前向きな対北政策は歓迎だが「安保優先」の原則に基づき、もう少し精巧に整えるよう願いたい。



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