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【社説】鄭雲燦に不足していたもの

鄭雲燦(チョン・ウンチャン)元ソウル大総長が大統領選挙出馬をあきらめたことは、いくつかの教訓を与えている。 大統領選街道に足を踏み入れた走者や、これから指導者になろうという野望を抱いている若者は、鄭雲燦氏の挫折を銘記しなければならないだろう。

一国を率いる大統領になるのは難しく厳粛なことだ。 鄭氏は著名な経済学者であり、この国の最高知性といわれるソウル大総長出身だ。 彼は知識人だった。 総長時代には大学入試・教育政策などをめぐり盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と対立した。 こうした点から識者層と政界では彼を有力な与党圏の候補として取り上げた。 しかし民心は違った。 彼を支持する人は100人中1-2人だった。 なぜそうなったのか。

乱世に国民が願う指導者として不足していたのか。 難題の密林に道を開くような指導者を国民は待っている。 彼は大統領候補のにおいを漂わせただけで、何をするため大統領になるというビジョンがなかった。 かといって庶民の痛みを代弁することもしなかった。


悩んでいる期間だったというが、鄭氏はあまりにも迷い、右顧左眄した。 最高の知性人として‘体面の接待’は享受しながらも‘悩みの義務’には脆かった。 彼は抽象的な言語には習熟しているが、不動産・教育など社会の実質的な難題には不慣れだった。 彼が新鮮だという人も少なくなかった。 それで有権者は‘新曲’を期待した。 しかし彼は忠清道(チュンチョンド)地域主義という‘懐メロ’を歌ってしまった。 彼は不出馬を宣言しながら「政治はビジョンと政策提示だけでなく、これを勢力化する活動だ」と述べた。 出馬放棄を勢力化という現実のせいにするようだ。 しかし彼は勢力化以前にビジョンから不足していた。

鄭氏がもっと深い傷を負う前にキャンパスに戻ったのは幸いだ。 彼には今回の初めての体験を通じて学界で新たに寄与してくれることを望む。 韓国の知性と指導層は道徳と共同体意識の不足で揺れている。 韓国社会‘知性の力’を復元するのに彼が寄与することを希望する。



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