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【社説】今度は河野談話まで否認するつもりか

日本政府が16日の閣議で、軍隊の慰安婦の強制動員について「政府が調べた資料の中には軍や官憲による強制連行を直接的に記した記述がなかった」という立場を公式化した。閣議はまた「政府の基本的立場は河野談話を受け継ぐ」と明らかにした。

安倍晋三日本首相は、先日の国会で「官憲が家に入り込んで拉致するように連れて行く形の“狭義の強制性”を裏付ける証言はなかった」と述べたが「河野談話は基本的に受け継ぐ」とした。閣議決定は首相の発言と認識を政府レベルで裏付けた措置とみられる。

米下院に慰安婦決議案が上程され、被害の女性たちが参加した初の聴聞会まで開かれ、世界の世論が注目している状況だ。日本政府の立場としては当惑しているといったところだろう。しかし証拠資料を言い訳に1993年の河野談話文の基本趣旨まで棄損することは正道ではない。展示性奴隷犯罪を反省して謝罪し、子孫たちに二度とこんなことがあってはいけないと教えることがそんなに難しいか。


従軍慰安婦の存在自体を否認した日本政府が自らの調査を通じて発表した河野談話も実は被害当事者には満足できない中途半端なものだった。慰安婦の総帥など全貌が表れず、何より旧日本軍の組織的介入が徹底的に糾明されなかった。しかし慰安婦動員が「総体的に本人(慰安婦被害者)たちの意思に反して行われた」とか「旧日本軍が直接または間接的に関与した」と認めた部分があったため、ある程度の誠意を見せたものと受け入れたのだ。

日本政府の今度の決定は、河野談話さえ否定して重要な部分ははずしたという宣言のようなものだ。すでに自民党議員たちを中心に河野談話を否定しようとする動きがある。だから「基本的に継承」するといくら繰り返しても談話を取り消したり、戦争犯罪に目をつぶるという姿勢だと解釈される可能性が高い。そのように証拠がなければトーマス・シファー駐日米国大使が16日「慰安婦被害者らは日本軍によって性的暴行された」と言ったのはどんな根拠からだったのか。日本政府と国際社会の乖離は安倍首相を含め日本指導層の甘い歴史認識のせいだと我々は判断する。



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