結局、チャン・ジュンヒョクは死んだ。


ＭＢＣドラマ『白い巨塔』掲示板には主人公チャン・ジュンヒョク（キム・ミョンミン）を死なせないでくれという書き込みが集まったが、その要請は返ってこないこだまとなった。「殺さなくても過ちを悔い改めることはできる」「一人息子のチャン・ジュンヒョクが死ねば、田舍の母親はどうなるのか」「チャン・ジュンヒョクのようにコネもない人の成功への希望をなくさないで」など視聴者の論理も多様だった。


しかし最初からアン・パンソク監督を含めスタッフは、こんな視聴者意見は受け入れられない状況だった。日本版原作者である山崎豊子氏との約束による。制作会社である金鐘学（キム・ジョンハク）プロダクション側によると、ドラマ契約を結んだ当時、原作者は「韓国的状況に合うように一部を変形したりすることはできるが、それは韓国の脚本家と監督の良心に任せる」と言った。明文化しなかったが、事実上「基本的なフレームには触れるな」という警告だったわけだ。日本でもテレビ朝日、フジテレビでドラマ化したが、病名程度が変わっただけで、主人公の死に方はそのままだった。

韓国版『白い巨塔』は多くの部分で「韓国化」された。原作では主人公が肺がんで死ぬが、１度もタバコを吸う場面がなかったチャン・ジュンヒョクは、代わりに胆管がんにかかるという設定に変わった。科長のポストをめぐって争ったノ・ミングク（チャ・インピョ）との「手術バトル」も原作にはなかった部分だ。しかし、チャン・ジュンヒョク、チェ・ドヨンの対立構図、チャン・ジュンヒョクの死など骨格はそのまま維持した。原作者との約束のためではないとしても、チャン・ジュンヒョクを生かす予定はなかったというのが制作陣の説明だ。終始一貫、深刻なストーリーの展開上、急な「ハッピーエンド」は似合わないというのだ。

１２年前人気を集めた『砂時計』（ＳＢＳ、金鐘学演出）の最期の場面を思い浮かばせる。当時、主人公パク・テス（チェ・ミンス）に死刑が宣告されると「どうにかして彼を生かしてくれ」という電話がひっきりなしに放送局にかかった。しかしパク・テスは「僕、今震えてる？」という名ゼリフを残し、刑場の露と消えた。『白い巨塔』は１１日、視聴率２３．２％（ＴＮＳメディアコリア）を記録し、２０回シリーズを終えた。視聴率自体は高くなかったが、しっかりした構成と緊迫した設定で「ドラマらしいドラマ」という評価を受けた。お決まりのハッピーエンド、やしつこい「延長放送」のない幕引きだった。