いわば、米国ドラマ全盛時代といえそうだ。 ‘米ド’と呼ばれる米国ドラマは最近、若者にとって最もホットな文化商品になっている。 ３０編以上がケーブルテレビで好評放送中だ。 社会文化的な影響も大きい。 ‘テンジャン女’波紋の遠因の一つがシチュエーション・コメディ「セックス・アンド・ザ・シティ」だった。

今の中高年層も米国ドラマに熱狂した時代があった。 １９７０－８０年代の「６００万ドルの男」「ワンダーウーマン」「大草原の小さな家」「Ｖ」シリーズなどだ。 しばらく眠っていた米国ドラマがまた人気を呼んだのは２０００年代に入ってからだ。 「フレンズ」「Ｘファイル」が注目を集め、「セックス・アンド・ザ・シティ」「ロスト」「２４」「デスパレートな妻たち」「ＣＳＩ」「グレイズ・アナトミー」「プリズン・ブレイク」などビッグヒット作があふれた。 医学・犯罪捜査・政治・ミステリー・シートコムなどジャンルを網羅している。 さまざまな専門的ジャンルと緻密な構成、巨額の製作費を土台にした映画的スペクタクルが人気の秘訣だ。 「テレビよりも映画のようだ」という視聴の所感が相次いでいる。 実際、米国ドラマは長い間、ハリウッドの製作ノウハウを伝授されながら成長してきた。 ハリウッドが素材不足で振るわない最近の数年間、米国ドラマが飛躍的に成長し、全世界のテレビ劇場に浸透したという点が興味深い。 タイムズ紙によると、一部のシリーズの販売価格は３年間で５０－７０％上昇した。

ハリウッドと米国ドラマの関係も注目される。 古典映画の黄金時代以後、新しく登場したテレビに観客を奪われたハリウッドは、スペクタクル時代劇に活路を見いだした。 「ベン・ハー」（５９年）が起点だ。 大抵のスペクタクルにテレビが追いつくと、今度は莫大な製作費と特殊効果で武装したブロックバスターが登場した。 「ジョーズ」（７５年）が嚆矢となる。


最近の米国ドラマの強大武器はジャンルの専門化とシーズン制だ。 かつてテレビドラマの代名詞だった主婦対象の「ソープオペラ」はほとんど消えた。 ジャンルを混ぜた映画とは違い、ジャンルの深度を深める。 シリーズを数回反復するシーズン制は人気作の無限複製・膨脹を保障する。 映画の続編とは比較にならないほどだ。 反応が良ければ７－８シーズンは間違いない。 複数の都市を背景にした「ＣＳＩ」のようにバージョン拡大も可能だ。 ジェリー・ブラッカイマー、スティーブン・スピルバーグなど名監督らがドラマの製作に熱を上げる理由だ。

創意性の枯渇にさまようハリウッドが韓国映画のリメーク版権を求めて眺めているというのは非常に喜ばしいことだ。 すでに全世界文化コードに定着した米国ドラマはすぐにハリウッドの動力になる。 彼らはそれだけ急いでいる。