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<ニュース分析>経済成長・民主化実現した韓国から「俗世の法王」

南北(韓国・北朝鮮)に分断されている韓国から、国際外交の司令等といえる国連事務総長が誕生した。かつては超大国が角逐していた韓半島が、いまや国際社会の紛争を調整、仲裁するくらいに位相が高まったことを意味する。

国連のある外交官は「『俗世の法王』こと国連事務総長は個人として挑戦するものだが、その後は政府レベルの支援や国際社会の出身国家に対する評価も重要になってくる」と述べた。こうした点から潘長官の勝利は個人の力量はもちろん、世界的に類例を見ない韓国経済の成功神話や民主化の勝利とも考えられる。50年以上も続いている分断の状況でも、韓国は驚くべき経済成長を実現し、民主主義を拡張させ、国際社会の成功モデルになった。

今月内に192カ国の加盟国が総会を開き同氏を次期総長に選出すれば、それは韓国の政治・経済モデルのグローバル化がアピールしたことにもなる。個人の力量も大きく働いた。国連での好評が何よりも大きなプラスになった。同氏は01年から2年間にわたって、当時の韓昇洙(ハン・スンス)国連総会議長の秘書室長を務め、円満かつ有能な外交官というイメージを確実に印象付けた。


とりわけ、敵を作らない同氏の人柄は常任理事国から高い点数を受けた模様だ。また、韓国の外相として北朝鮮の核問題など敏感な懸案を取りあつかう際、外交官としての調整能力を発揮した点も高く評価されたものとされる。出馬を宣言した後、同氏は米国・欧州・アフリカなどをまわり支持を訴えた。韓国からの総長候補出馬が初めて検討されたのは昨年半ばごろ。だが当時は懐疑的な見方が大半だった。

何よりも南北が対立している状況が障害物に指摘された。いつでも対立が浮き彫りになり得る状況で、紛争地域出身の総長を選んでもいいかという論理だった。さらに米国と同盟関係にある韓国の総長候補を、中国とロシアが受け入れるだろうかという憂慮もあった。日本が反対するに決まっている、との見方も広がっていた。昨年、日本が安保理常任理事国入りを進めた当時、韓国が反対したからだ。

こうした悪材料を乗りこえて潘長官は国際社会の紛争を解決する重要なポスト、国連総長の当選を控えている。同氏の勝利について一部では冷戦時代が幕を下ろしたおかげという見方も出ている。各地域から総長を選ぶという慣行も一役買った。国連総長は出身国家を離れ、全世界の外交司令官として業務に臨まなければならないが、同氏の歩みは韓国の位相を高めることにも少なくなく寄与することから、期待感が寄せられている。



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