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「自由競争の結果なら格差が生じることは悪いとは思わない」--。小泉純一郎日本首相は二極化問題になるといつもこの一言で結論を出す。 「格差は小泉改革の影」という野党やメディアの批判も気にしない。 社会格差、すなわち二極化をそれほど深刻に考えていないという態度だ。
では一般人の見解はどうか。 書店のベストセラーコーナーに行くとよく分かる。 「不安大国ニッポン」「下流社会」「希望格差社会」などの本が並んでいる。 昨年から変わらない。 日本の誇りだった「1億総中流」の崩壊を警告する本だ。 実際、日本でも光と影の差は大きい。 教育も就職も嫌う若者や短い期間に巨富を手にした富裕層が共存するのが日本の今日だ。 しかしこれを眺める日本社会は意外にも静かだ。 階層間の葛藤の兆しはない。 グローバル競争と構造改革の結果、ある程度格差が広がるのはやむを得ないと考えているからだ。
だからといって無策傍観しているわけではない。 景気回復に弾みがついている時点であるだけに、格差解消の必要性は認めている。 政府、地方自治体、民間がともに、経済成長の中で中産階級をもっと増やすべきだという点に共感している。
ここに登場したキーワードが「機会」と「挑戦」だ。 3月末、日本政府は「再チャレンジ推進会議」を発足させた。 「勝者には自由を、敗者즂は再挑戦の機会を与えるべきだ」という主張(葉梨康弘自民党議員)に対する前向きな回答だ。 失業者には就職の機会を、低所得層にはよりよい働き口を、事業に失敗した企業家には再起の機会を与えるためだ。 次期首相を狙う安倍晋三官房長官が議長を預かり、政治的な重みもある。
根本趣旨は再分配ではなく再挑戦の機会を増やすということ。 従来の福祉政策以外に追加で財政を投入して、中産階級から脱落した人々を救済するという発想はない。 その代わりに自ら能力を高めて階層上昇に挑めるよう支援するのに比重を置いている。 二極化を小改革の産物とみる野党も、無条件に再分配政策を要求しているのではない。 個々人の自立能力がもっと重要だと考えている。
「格差解消のために政府は‘コンクリート(公共事業)’より人材養成に金を使うべきだ」(峰崎直樹民主党議員)。日本では教育や再訓練などで個人の就職能力を高めるプログラムが多い。 良質の就職を支えてくれる雇用対策こそ、最善の中産階級育成対策であるからだ。 このためどこにも「中産階級育成」という名前の政策は見当たらない。 その代わり、普段の就職訓練、雇用対策、保育支援などがすべて中産階級の土台を固める方向へと進んでいる。
例えば横浜市の「横浜プロモーション推進事業」や和泉市の雇用対策も表現が違うだけで、中産階級育成案がぎっしり詰まっている点は同じだ。 これを主導するのは地方自治体と民間だ。 政府が大きな絵を描き、地方自治体・企業・非営利法人(NPO)が‘現場’を預かる。 政府は財政負担を減らし、地方は地域密着型対策を施行できる。 「中産階級が増えてこそ健康な都市づくりができる」という小林信子和泉市就職支援係長の言葉は、こうした「現場意識」を見せている。 政界が率先し、スローガンが先走る韓国とは違い、日本では‘静かな’中産階級育成が進行しているのだ。
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