|
「竹は中が空っぽで幹に節があり、節操が高く謙虚な賢者のようである」(竹心空竹節貞、「養竹記」から)。古代から現在まで竹は韓日中3国で大きく愛されてきた。儒教の学者、仏教の僧侶、道教の道士らが好み、同地域の歴史で竹が占める特別な位相を象徴する。
文化部長官を歴任した李御寧(イ・オリョン)元梨花(イファ)女子大学国文学教授の「竹への愛」が格別だ。竹を東アジア3国の文化を結ぶ平和の伝令に位置付けたがる。同氏の『竹』(ジョンイナラ、3万ウォン=約3000円)が出版された。本によると、韓日中は「竹の文化圏」に属する。3国の歴史で、文学・芸術の素材として頻繁に使われた竹の歴史を比較し、立証付けている。
数多くの「墨竹図」と陶磁器などに描かれた文様も紹介している。日本の場合、大規模な竹祭りが現在まで続いている。朝鮮(チョソン、1392~1910)中期の文人・尹善道(ユン・ソンド)が『五友歌』で「木でもなく草でもなく」と歌った部分に李教授は注目した。筆、竹簡など学者の文具に使われると同時に弓、竹刀など兵器に使われるとの点から、文武の境界も崩壊させる。
そうした特徴を、東アジア3国の情緒を融合させる媒介にしよう、という希望が盛り込まれている。05年から著述しはじめたシリーズ「韓日中文化コードの読み取り-比較文化象徴辞典」の3冊目だ。以前に『梅』と『松』を出版しており、今後『蘭』、『菊』など植物と干支の動物に関するシリーズが続く予定。
この記事を読んで…