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英国では犬の星回りが最高だ。 犬に対する英国人の愛はそれだけ深い。 お金も惜しまない。 英国のチャーチル保険会社が今年公開した調査資料によると、英国の成人1人が10年間犬1匹を飼うのに使ったお金は、多くは3万1840ポンド(約716万円)、少なくは2万998ポンド(約473万円)だ。 だから犬にとっては英国が天国だ。
だが、犬についての英国人の趣向はかなり厳しい。 人の品格を測るように「犬の格」を考える。 ロンドンの愛犬団体・ケンネルクラブ(Kennel Club)は、犬の品種、飼育する環境、遺伝疾患などをいちいちチェックした後、点数を付ける。 130年を越える伝統を持った同クラブが認める犬は、すなわち名犬だ。 それについては誰も文句を付けない。 そうしたケンネルクラブが5月10日、珍島犬(チンドケ)を独立の品種に受け入れた。 今後は珍島犬もコリー(英国)、シェパード(ドイツ)、プードル(フランス)のように、固有の名前で、世界どこでも名犬として認められるようになったのだ。
珍島犬は聡明である。 訓練しなくても大小便のしつけが良く、食べ物をむやみと食べたがらないことくらいは朝めし前だ。 はなはだしくは、伝説のような話も伝えられる。壬辰倭乱(文禄の役)の当時、珍島の全ての犬たちが一斉に海の方に向かって騒々しく吠えたことがあったが、翌日、そちらから「倭冠(日本の海賊)」の船が押し寄せてきた、との話が一例だ。
珍島犬は「道理」を知っている動物だ。 93年、大田(テジョン)に売られた珍島犬ベクグが、7カ月後に300キロ以上も離れたところの珍島を自分の力で探してきて、痩せこけた姿で、飼い主の女性の懐に抱かれた逸話は有名である。 珍島郡ドンジ村にあるベクグの銅像は、それを賛えたものだ。
野党ハンナラ党・朴槿恵(パク・クンヘ)代表が、最近生まれた珍島犬の子犬7匹を分譲したい、との意向をインターネットのミニホームページを通じて伝えた。 そうすると、与党「開かれたウリ党」の役員らが「名犬を活用しイメージ政治を展開するのは珍島犬を侮辱すること」だと非難した。 朴代表の子犬分譲が、果たして揉め事になるようなことだっただろうか。 たとえ朴代表がイメージ政治を展開しようとしたとしても、与党に叱る資格があるだろうか。 これまでイベント政治でかなり得してきたのは与党ではなかったのか。
通常国会の会期が残り少ない。 与党はとんでもないことによそ見しないでほしい。 珍島犬のように聡明な目で予算案・税法案などを点検し、それを民生にプラスになる方向で処理するのが与党の道理ではないか。
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