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最終的に、彼がまたやり遂げた。
教科書市民団体「子どもと教科書全国ネット21」(ネット21)の俵義文事務局長(64)。2001年、日帝の侵略歴史を美化・歪曲した「新しい歴史教科書をつくる会」(つくる会)の教科書採択率を0.039%に阻む決定的な役割を果たした彼が、今年も0%台の採択率を遂げた。
今年、つくる会の歴史教科書採択率は0.38%にとどまった。公民教科書は0.19%だ。4年前に比べて数字の面では大きく増加した。しかし新しい歴史をつくる会が背水の陣で政界と結託し、全面戦争をした状況を考慮すれば市民団体の「丸勝ち」だ。新しい歴史教科書をつくる会は10%の採択を目標にしていた。
4月初めの採択教科書検定申請締め切り後、5カ月ほど全国あちこちを巡回し「激戦」を行った後、しばらく休んでいる彼を2日、東京の「ネット21」事務室に訪ねた。俵局長は「結果に満足はできないが、ファインプレーしたことは間違いない」と述べた。完全な0%に阻めなかったことはくやしいが、8000万円ほどの資金を投入して物量攻勢を広げたつくる会の勢いを完全に止めたというのが自己評価だ。全国584の教科書採択地区を1つ1つ歩き回ってつくる会の活動を組織的に阻んだのが奏功したという分析だ。2001年のときより講演回数も30%ほど増やした。
「先月初めまで10%前後まで行くのではないかという不安がありました。右翼政治家たちが後押し、つくる会を宣伝する勢いがすごかったからです。しかし時間が経つほど一般市民たちの良心と底力が動きました」俵局長は韓国市民団体との円滑な協助も大きな力になったと述べた。
「2月に竹島問題が起こったときは日本国内に反発が起き、つくる会の教科書採択に傾かないか心配しました。それで教科書問題と独島問題を直接結び付けない戦略を選んだんです。実は日本社会では竹島に対してはあまり大きな関心がありません。実際『竹島の日』条例を通過させた島根県も、つくる会の教科書を採択していません」
出版社の立場では損益分岐点が採択率16%という。それなら2001年と2005年と採択率0%台にとどめたつくる会の教科書を出版した扶桑社は、つくる会の教科書から手を引かないのか。俵局長は「絶対に手は引かないだろう」と言い切った。つくる会の教科書採択運動は、つくる会だけの運動ではなく、自民党と財界が結託した「戦争ができるようにする歴史意識改造作業」の一環だからだというのが俵局長の説明だ。実際につくる会は2日、声明を発表し、4年後の2009年教科書採択に3度目の挑戦状を出す」と宣言している。俵局長は「そちら(つくる会)がまた出るというならば、少々腰は重いですが、われわれも対応しなければならないでしょう」と笑った。
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