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【噴水台】イ・ユジン

暗い所で、懐中電灯を顎から目の方向に向かせて照らすと、なぜ恐ろしく感じるのだろうか。 答は簡単だ。 太陽の光が上から下へ降りてくる地球に、われわれが住んでいるからだ。したがって、下から上へ上がってくる光線が作った映像に、目と脳は拒否感を示す。 テレビでは、こうした点を利用し、おばけのイメージを作ったりする。混血の問題も同じだ。単一の民族であることを大切に思う韓国人の目から見ると、ハーフは異邦人のように思えがちだ。

ユン・スイル、インスンイ、パク・イルジュン、ユン・ミレ、ソニャ...。ハーフの芸能人らは、社会の冷たい視線を乗り越えて立ち上がった。 インスンイ、パク・イルジュンは、時々、自分らの悲しさのあまり、泣き出したりもした。

それでも、これらは、声で勝負する歌手であるため成功することができた。 ごく最近までも、視聴者らに拒否感を与え得るとの理由で、ハーフは演技者に抜てきされなかった。


生物界では、雑種が純血より強いときが多い。雑種の方が、両親の優秀な形質を受け継いでいる可能性が大きいからだ。これを「雑種強勢(ヘテロシス)」という。 人類でも、混血が、両親のいずれよりも体格が大きいケースがよくある。ゴルフの皇帝、タイガー・ウッズの体には、白人、黒人、米原住民、東洋人の血が流れている。 映画『マトリックス2リローデッド』の主人公、キアヌ・リーブスもハワイ混血の父と英国人の母の間に生まれた。

混血の「激変」の産物だ。ローマ帝国の征伐とムーア人の欧州侵略、欧州のインド進出など、世の中が揺れる度、多くのハーフが生まれた。 最近、グローバル化の波に乗って、世界のあちこちで再びその数が大きく増えつつある。15人の1人に多人種の血が混ざっている米国では、40年後になれば、ハーフが人口全体の20%を突破するだろうとの見方が出ている。 南米のいくつかの国家では、ハーフが白人とヒスパニック系などを抜いて「第1の人種」になった。

人気タレントのイ・ユジンが28日、自身が米国人の父と韓国人の母の間に生まれる混血であることを明らかにした。 「あいのこ」という社会的偏見を恐れて、これまで公開できなかったと話したりもした。 教科書で、依然として単一民族の優秀さを強調する国。 だが、人であれ企業であれ、また大学であれ混血に進む国際社会。こうした突拍子のなかで、民衆歌手、金敏基(キム・ミンギ)の『混血児』を聞きながら、少なくともそれらの悲しみだけは理解するようにしよう。

「友だちもいないな/何をして遊ぼうかな?/鉄道沿いを走ってみようかな/鉄道の向こう側の音は何だろう/天にのぼるラッパの音だろうか...」。



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