韓国の対米外交に新たな課題…トランプ大統領だけを眺めた「おべっか外交」終わり、民主党への対応も
中央SUNDAY/中央日報日本語版
2026.11.07 12:37
Googleで中央日報を読み逃さない
次期米下院議長の有力候補である民主党のハキーム・ジェフリーズ下院院内総務が今月4日(現地時間)、議会議事堂で記者会見を開いた。[EPA=聯合ニュース]
民主党はすでに「姑」のような役割を果たすと予告している。民主党のハキーム・ジェフリーズ下院院内総務は今月4日(現地時間)、下院議長選への立候補を表明する書簡で、「下院がトランプ政権の完全な子会社のように機能していた時代は終わった」と宣言した。新議会の発足後、最初の100日間に取り組む課題の一つとして「トランプ関税の撤廃」も明記した。続いて民主党のチャック・シューマー上院院内総務は5日、連邦政府の選挙で選ばれる公職者の株式取引禁止、データセンター拡張に伴う消費者の費用負担の抑制などを推進すると明らかにした。「イラン戦争を終わらせる」とも述べた。
しかし民主党が多数党になったとしても、法律を成立させるには大統領の署名が必要だ。行政機関が議会の承認なしに行使できる権限も少なくない。ロイター通信も、ホワイトハウスが民主党による議会掌握に備え、行政権限を通じて主要政策を引き続き推進する計画を準備してきたと報じた。このため最終的にはトランプ氏と民主党議会が互いに望むものを交換しながら妥協点を探る「包括合意」が成立する可能性が高いというのが、現地外交筋の慎重な見方だ。
韓国に関連する問題も例外なく取引対象に含まれる可能性がある。その代表例が国防予算と結びついた国防権限法(NDAA)だ。NDAAは、米軍艦艇の海外建造制限や在韓米軍削減の歯止めなど、韓国の安全保障に直結する内容を扱っている。民主党がイラン戦争の終結や監督権限の強化のために国防予算を切り札として使えば、その影響は韓国にも及ぶ可能性がある。
原子力潜水艦(原潜)も同様だ。李在明(イ・ジェミョン)大統領は昨年10月、慶州(キョンジュ)で開催された韓米首脳会談で韓国の原潜導入の必要性を持ち出し、トランプ氏を説得することに成功した。「おべっか外交」が成功した代表的な事例だ。李大統領は今年9月にもトランプ氏と会談し、防衛費増額など韓国の防衛責任を拡大する意思を示すとともに、原潜をめぐる議論の加速を求めた。
しかし今後は議論を前進させるために民主党議会とも向き合わなければならない。国防権限法や原子力協定などに直結する問題だからだ。防衛費を増額する代わりに原潜導入を加速させようというような「取引主義的」なアプローチは、民主党には通用しない可能性が高い。エドワード・マーキー氏ら民主党の上院議員4人も今年1月、トランプ氏に送った書簡で、韓国の原潜導入に関連して核不拡散上の懸念を提起した。
民主党が約束した関税撤廃も同じだ。トランプ氏の拒否権が残されている以上、韓国としては約束だけを信じて待てる状況ではない。さらにトランプ大統領はこの日、「米国に工場を建設しなければ最高300%の関税を支払うことになる」と述べ、従来の関税政策を維持する考えを示唆した。結局、交渉相手がトランプ氏から民主党に変わるのではなく、ホワイトハウスに議会が加わる構図になったということだ。
次期議会に新しい顔ぶれが増えることは韓国にとって危機であると同時に機会でもある。昨年初めと比べ、上下両院全体の535議席のうち少なくとも129議席が入れ替わる。議員4人に1人の割合だ。韓米同盟の重要性を一から説得しなければならない相手もそれだけ増えるということだ。注目すべき点は、トランプ氏にとっては大規模な投資総額が成果となり得る一方、議員にとっては自らの選挙区に生じる雇用や工場の方が切実ということだ。このため議会では「選挙区に利益をもたらす同盟」を説得ポイントに据える必要がある。
民主党がトランプ氏に対する全面的な調査を進める過程で思わぬ余波が及ぶ可能性にも注意しなければならない。関税引き下げを引き出すために用意した投資や事業の提案が、今後はトランプ政権の意思決定を検証するための議会による資料要求の対象になる可能性がある。共和党の惨敗で2028年大統領選に向けた動きが本格化する時期が早まったことも変数だ。「2028年半ばになれば選挙運動が本格化し、立法の窓は閉じるだろう」という見通しは、韓国政府と企業にも残された時間があまりないことを意味している。
この記事を読んで…