中国最大のNAND型フラッシュメモリー企業、長江存儲科技(YMTC)が進めていた新規株式公開(IPO)の計画を延期した。ロイター=聯合ニュース
4日(現地時間)のロイター通信によると、YMTCの親会社である長江存儲控股(CCSH)は上海株式市場への上場手続きを暫定的に中断した。CCSHは8月、上海証券取引所でハイテク企業向け市場の科創板に上場申請書を提出し、330億元(約7800億円)を調達する計画だった。その後、先月末から今月初めにかけて戦略的投資家を対象に株式の割り当てを開始する予定だったが、これを中断した。ロイター通信は、上場の遅れが数カ月続き、来年上半期にずれ込む可能性もあると伝えた。
YMTCは中国政府が半導体の自立に向けて育成してきた代表的な企業だ。スマートフォンやパソコン、データセンターなどに使われるNAND型フラッシュメモリーが主力製品だ。巨大な国内市場に世界的な供給不足が重なり、好況の恩恵を大きく受けた。最近はAIデータセンター向けの企業用SSD(ソリッドステートドライブ)にも事業を拡大している。
市場調査会社カウンターポイントリサーチによると、今年4-6月期のYMTCの世界NAND型フラッシュメモリーのビット出荷量シェアは14%で、サムスン電子(25%)、SKハイニックス(22%)に次ぐ世界3位となった。実際、8月に公開された投資説明書によると、今年1-3月期の売上高(470億元)は前年同期比約5倍に増加した。YMTCは上場準備当時、投資家に対して「世界のNAND型フラッシュメモリー市場で1位になる」という抱負も明らかにしたという。
足かせとなったのは中国株式市場の急落だ。中国の大型株を中心とするCSI300指数は10月に8.5%下落し、10年ぶりの最悪の月間騰落率を記録した。半導体・AI企業が集中する科創板(STAR)50指数も7月の高値から43%近く下落した。株式市場が冷え込むと、中国当局も引き締めに乗り出した。
3日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、中国証券監督管理委員会(CSRC)が市場が回復するまで投資銀行(IB)にIPOの計画を延期するよう求める、いわゆる「窓口指導」を行ったと報じた。
YMTCにとっては、生産施設や技術開発に投入する資金の確保が遅れることになった。当初、YMTCはIPOで調達する資金のうち208億元を生産ラインの高度化に、122億元を研究開発に充てる予定だった。
今後の市況も懸念材料となっている。好況という同じ船に乗っていたDRAMとNAND型フラッシュメモリーの動向が、来年から分かれる可能性があるためだ。市場調査会社トレンドフォース(TrendForce)は7月、DRAMは広帯域メモリー(HBM)の生産拡大とAIサーバー需要により2027年も供給不足が続く一方、NAND型フラッシュメモリーは新工場の稼働と高積層プロセスへの転換により、来年下半期から価格下落圧力が強まると予測した。DRAMを主力とするサムスン電子・SKハイニックスとは異なり、NAND型フラッシュメモリーへの依存度が極めて高いYMTCにとっては歓迎できない見通しだ。
実際、サムスン電子は中国・西安工場のNAND型フラッシュメモリーの製造工程を200層から286層に高度化している。SKハイニックスも大連工場の192層の製造工程を240層以上に引き上げる案を進めており、NAND型フラッシュメモリーの供給増加が予想される。未来アセット証券のキム・ヨンゴン研究員は「NAND型フラッシュメモリーは来年の需要増加率(16.0%)が今年より鈍化する一方、生産量の増加率は25.7%に達する」との見方を示した。
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