アニメーション映画『めくらやなぎと眠る女』で、村上春樹の短編小説『かえるくん、東京を救う』から着想を得た場面。ピエール・フォルデス監督がカエルの声を自ら演じた。[写真 ハッピーソング]
これは2024年、村上が自身の小説を原作とする初の長編アニメーション映画『めくらやなぎと眠る女』の日本公開を控えて明かした話だ。当時、村上は「私が書いたものをそのまま再現するのではなく、何かを付け加えて新しいものを作ってほしいと求めた」と明かした。公開後には「アニメ好きではないが、この作品は2回見た」と満足感を示したこともあった。
先月28日、同作の韓国公開に合わせ、ピエール・フォルデス監督に電子メールでインタビューした。フランスの作曲家兼映画監督であるフォルデス監督は、「村上春樹の短編集の知的で繊細かつユーモラスな文体が、私の体の奥深くに響き、創作のインスピレーションを呼び起こした」と制作の動機を語った。
アニメーション映画『めくらやなぎと眠る女』は、2011年の東日本大震災後の東京を舞台に、村上の6編の短編小説を1つの物語に再構成した作品だ。村上の最新長編小説『夏帆-The Tale of KAHO-』とも似たところがある。『夏帆-The Tale of KAHO-』で、黒い毛のありくいの夫婦が絵本作家の夏帆に引っ越しを求めたように、アニメーションでは擬人化されたカエルが、ストレスに悩む東京の銀行員・片桐の前に現れ、地震を防ぐために力を貸してほしいと頼む。同じ銀行に勤める小村とその妻キョウコは、迫り来る災難から何らかの形で逃れることを夢見る。
フォルデス監督は、100編近くに上る村上の短編小説を繰り返し読み、『めくらやなぎと眠る女』『かえるくん、東京を救う』『バースデイ・ガール』『UFOが釧路に降りる』『ねじまき鳥と火曜日の女たち』などをアニメーションに取り入れた。初期の短編『かいつぶり』については、暗いコンクリートの地下通路という発想だけを、音楽で楽章の間に挿入される間奏曲「プロムナード」のように用いた。
フォルデス監督は「創造的な脚色をするため、自分にとって少し謎めいて感じられる短編を選んだ」と語った。原作にはなかった東日本大震災という背景を取り入れ、登場人物たちがふと、自分の望んでいたものとは違う人生を歩んできたことに気づき、抜け出す道を探し始めるという、一種の「内面の地震」を引き起こすためのきっかけとして活用した。
フォルデス監督自身にとっても、村上の小説は人生にそうした地殻変動をもたらした。英国系とハンガリー系の両親のもと、米国で生まれ、パリで育ったフォルデス監督は、幼い頃は画家を夢見ていたが、ピアノや作曲、管弦楽法を学び、まず音楽家として活動した。ニューヨークに住んでいた頃に村上の小説に初めて触れ、「新しいスタイルを生み出すのは、偉大な芸術家が自らの内なるインスピレーションにひたすら耳を傾けるときだ」ということを改めて実感した。その後、ハンガリーのブダペストで美術を学び、再びパリに戻って村上の小説を原作とするアニメーションの制作を構想した。
フォルデス監督は、絵コンテを基に俳優の実際の演技を撮影し、その映像をアニメーション制作に活用する「ライブアニメーション」という手法を新たに導入した。フォルデス監督は「アニメーションなら、実写カメラよりも、自分が思い描いたものをはるかに幅広く再現できる」と語った。
日本公開時には、韓国系俳優の玄理(ヒョンリ)、映画監督兼俳優の塚本晋也、俳優の岩瀬亮らが日本語吹き替えを担当したが、韓国では国際版に当たる英語版のみが公開された。
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