26日、京畿道坡州市の境界地域から眺めた北朝鮮軍の哨所のそばに設置された対南拡声器。北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)労働党中央委員会部長は今月中に南北境界地域全域で対南拡声器を稼働させると予告した。[ニュース1]
京畿道坡州市の境界地域にある民間人統制線内の非武装地帯(DMZ)で唯一の民間人居住地である大成洞(テソンドン)のある住民は「29日午前6時30分に歌声が少し聞こえた後、続いて幽霊の声のような放送がわずかに聞こえてきた」と話した。放送は4~5時間続いたという。音が小さかったため大半の住民は気づかなかった。意図的に出力を下げた試験放送は地形によって聞こえる地域が異なるため、平地で屋外活動していた一部の住民だけに聞こえた可能性があると、住民らは推測した。
◆「対南拡声器放送を控えた試験放送と推測」
イ・ワンベ統一村里長は「大成洞の村のある住民から北の対南放送が小さな音で聞こえたという話を聞いた。これは北が本格的に対南拡声器放送を実施する前に試験放送を行ったものと推測される」と述べた。
チョ・ボンヨン・ヘマル村農村体験村推進委員長は「北の拡声器放送が本格的に再開されれば、これに対抗して韓国側も対北拡声器放送を再開するとみられる。その結果、民統線内の住民だけが以前のように昼夜を問わず拡声器の騒音に悩まされるのではないか心配だ」と話した。
◆国家情報院、「誤った通報」と判断
国家情報院は住民の証言について「誤った通報」と判断した。李鍾奭(イ・ジョンソク)国家情報院長は29日、国会情報委員会の国政監査で、北朝鮮が拡声器放送を始めたとみられるとの報道について「事実ではない。大成里の住民の通報が誤った通報だったと把握している」と報告した。合同参謀本部も前線部隊から北朝鮮の対南拡声器放送が聞こえたとの報告はないとし、「韓国軍が北の対南拡声器の稼働状況を確認した事実はない」と明らかにした。
境界地域村連合会に所属する坡州市の民統線地域の住民は26日、坡州市の統一大橋の南端で記者会見を開き、南北当局に対し、住民の日常生活と生存権を最優先に考慮し、拡声器の騒音による不安が繰り返されないようにしてほしいと訴えた。
住民は声明で「拡声器を通じてお互い非難し、声を高める方法では、南北間の対立を解決できない。一方が放送を始めれば、一方がさらに大きな音で対抗するという悪循環は軍事的緊張を高めるだけであり、最前線で暮らす住民の平穏な日常を脅かすだけ」と主張した。
◆坡州境界地域の住民、拡声器放送の中止を要求
連合会のパク・ギョンホ運営委員長は「昼夜を問わず続く騒音と不安の中で十分に眠れず、生業に従事しながらも軍事衝突を心配しなければならなかった日々を覚えている。国家安全保障のためだと考えてさまざまな不便や犠牲を甘受してきたが、境界地域住民の犠牲がいつまでも当然のものと見なされてはいけない」と述べた。
続いて「我々が望んでいるのは大きなことではない。夜は安心して眠り、昼は不安なく職場に出かけられる平凡な日常だ。境界地域は南北の軍事的対峙が最も近い場所で行われる地域であると同時に、住民が家族とともに暮らす大切な生活の場でもある」と強調した。
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