韓国・釜山(プサン)北港親水公園の人工水路に1カ月以上とどまり、前日の誘導作業で水路の外に出たサメ「プカンイ」が、夜の間に戻ってきた。当局は当面、自力で水路を出るかどうか見守る方針だ。ソン・ボングン客員記者
22日、釜山市と韓国海洋水産部などによると、前日午前9時30分に始まった3度目の救出作業は、約8時間後の午後5時40分ごろ、プカンイを事実上、水路の外へ誘導して終了した。当局は再び水路に入るのを防ぐため、水路の入り口にポンツーン(水上作業用の浮体施設)と網をつなげた遮断幕を設置した。
しかし、プカンイは午後11時ごろ、再び遮断幕の内側で発見された。海洋水産部は、プカンイが網の下をくぐり抜けたと明らかにした。22日午前、プカンイは外海から約60メートル離れたマリーナブリッジの内側の水路で、1分間隔で水面に姿を現した。
現場を訪れた40代のチョさんは「昨日、外海まであと40メートルというところで網を下ろすのを見て、不思議に思った」とし、「結局、再び水路に閉じ込められてしまい、残念だ」と話した。
救出当局は同日午前9時30分から、再び誘導作業に乗り出した。網を持ち上げ、汚濁防止膜の一部を撤去し、前日よりもさらに外海に近い地点までプカンイを誘導した。釜山市緑の都市局のキム・チャンドク局長は「外海から30~40メートル離れた地点まで誘導した後、網を水中深くまで下ろしてしっかりと固定し、潜水士を投入して隙間がないか確認する予定だ」と話した。
プカンイはなぜ海ではなく水路に戻ってきたのか。群山(グンサン)大学の崔允(チェ・ユン)海洋生物資源学科名誉教授は「水路の外を航行する小型船舶のエンジンの振動や騒音が水中に伝わる」とし、「こうした刺激を避けるために戻ってきた可能性が高い」と話した。
国立水産科学院沿近海資源課のチ・ファンソン研究員は「外部の照明や船舶の騒音・振動によって感覚器官がかく乱されたり、感覚機能が鈍くなったりした可能性がある」とし、「体力が低下し、深い海よりも浅い水路を好んでいる可能性もある」と分析した。
サメの優れた記憶力と学習能力が影響したとの分析も出ている。韓国海洋科学技術院統営(トンヨン)海上実証基地のチョン・ユンファン基地長は「サメは1000キロメートル移動しても、以前いた岩礁に戻れるほど記憶力が良い」とし、「水路で餌や周辺環境について良い記憶が形成され、それがきっかけで戻ってきた可能性がある」と説明した。
問題はプカンイの健康状態だ。目や口先、ひれに傷が見つかったうえ、体力の低下も懸念されている。チェ教授は「傷が悪化し、水温が18度以下に下がる最悪の状況では、2週間以内に死ぬ可能性もある」と警告した。
救出方法の変更も検討課題として挙がっている。崔教授は「2004年、米マサチューセッツ州で湖から海に戻されたホホジロザメが、数日間海岸付近にとどまった」とし、「プカンイを水路の外に出したとしても、1週間ほどは水路の入り口付近を泳ぎ回る可能性がある。自力で外海に出ていかなければ、プカンイを網で囲み、水中から引き上げずに船舶で外海まで引いていく方法も検討する必要がある」と話した。
地球温暖化によって同様の事例が相次ぐ可能性があるため、長期的な対策が必要だとの指摘も出ている。チョン基地長は「プカンイが水路に入り込んだ原因を科学的に分析し、今後の類似事例に備える必要がある」と強調した。
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