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「米国防総省は軍事基地ごとに気候リスクを評価…韓国も急ぐべき」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

米国の気候安全保障センター(CCS)のエリン・シコルスキー所長は「韓国には、世界的な競争力を持つバッテリー産業と造船業をエネルギー安全保障に活用できる十分な潜在力がある」と強調した。[写真 エリン・シコルスキー]

2月末にホルムズ海峡が封鎖されたことで、エネルギー転換に対する見方にも変化が生じた。気候変動対策にとどまらず、国家安全保障の問題として捉えるべきだという声が高まっている。中東産原油への依存度が高いアジア諸国にとってはなおさら切実な問題だ。米国の安全保障専門シンクタンク、戦略リスク委員会(CSR)は2月初めに発表した報告書「再生可能エネルギーで韓国の国家安全保障を守る」で、韓国の高いエネルギー輸入依存度と地政学的リスクに警鐘を鳴らした。報告書は、エネルギー転換が国家安全保障を強化する重要な手段だと強調した。報告書の共同執筆者、CSR傘下の気候安全保障センター(CCS)のエリン・シコルスキー所長に電子メールで話を聞いた。以下は一問一答。

--気候変動を安全保障上の問題として捉えるようになったきっかけは何か。


東アフリカや中東の過激主義を分析する中で、干ばつによって農業や食料安全保障が崩壊する状況を頻繁に目にした。政府が住民を支援できなければテロ組織が勢力を拡大した。気候変動が深刻になるほど安全保障上のリスクも高まるという事実に気づいた。米国でも2007~2010年に気候変動を『脅威を増幅させる要因』と位置づけ、情報機関による気候評価や国防総省の国防見直し報告書に反映させるなど、認識の転換が進んだ。韓国はエネルギーの84%を輸入していて、その大半を化石燃料として海上輸送で調達している。港湾を襲う台風や、遠く離れた海峡での危機だけでも、産業やサプライチェーン、軍の即応態勢が揺らいでしまう。気候変動による打撃は、北朝鮮の脅威や経済危機と別個の問題ではない。むしろ、こうした脅威に対処する能力を低下させる。ところが韓国ではこうしたリスクを把握するためのデータが不足している。韓国電力のエネルギーインフラのうち、気候災害に対する脆弱性評価が実施されたものは半分にもならないという分析がある。韓国軍の基地の気候リスクを評価した公開資料も探せなかった。米国防総省は軍事基地ごとに猛暑・洪水・干ばつ・山火事のリスクを将来のシナリオに基づいて評価していて、2023年には韓国を含む6カ国の同盟国に評価ツールを提供した。


--再生可能エネルギーにも原材料や部品を中国に依存するというサプライチェーン上のリスクがあるのでは。

確かに、管理すべきリスクだ。ただ、化石燃料への依存とは性質が異なる。石油や天然ガスは継続的に購入して輸送しなければならないが、太陽光パネルは最長35年間使用できる。オーストラリア、米国、日本などの協力国と連携し、重要鉱物や製造に関わるサプライチェーンを多様化する必要がある。もちろん、中国の製造能力と価格競争力を考慮すると、市場に任せるだけではサプライチェーンの多様化は難しい。政府が長期購入契約によって安定した需要を保証し、同盟国同士でコストや資金調達の負担を分担するべきだ。最低価格だけでなく、サプライチェーンの安定性も評価する基準が必要だ。太陽光パネルの製造工程のすべての段階で中国と競争しようとするよりも、重要鉱物の精製やバッテリーなど重要なサプライチェーンに集中しなければいけない。

--人工知能(AI)や半導体によって電力需要が急増している。再生可能エネルギー、原子力発電、液化天然ガス(LNG)、石炭の役割をどう考えるか。

増加する電力需要を輸入LNGや石炭で賄うほど、海上輸送路のボトルネックや価格ショックの影響を受けやすくなる。もちろん、発電方式ごとに異なるリスクに対応できるよう、電源を組み合わせる必要がある。原子力発電は安定的に電力を供給できるが、建設には長い時間がかかる。LNGは柔軟性がある一方、輸入リスクが伴う。再生可能エネルギーと蓄電設備を大幅に拡大し、原子力発電を安定的な基盤として活用する一方、LNGは非常用・補助電源として役割を縮小するべきだ。韓国は最近、石炭火力発電所10基を『安全保障電源』として残す方針を発表したが、その趣旨は理解できる。しかし石炭も海上輸入に依存していて、異常気象にも弱い。維持するにしても明確な終了時期と稼働条件を定める必要がある。同じ資金を大規模な蓄電設備や送電網に投資する方が、長期的な強靱性を高められる可能性がある。

--韓国の産業競争力をエネルギー安全保障にどう活用できるか。

韓国はエネルギーの輸入依存度が高い一方、世界有数のバッテリー産業と造船業を保有している。問題は、こうした強みをエネルギー安全保障に十分に活用できていない点だ。最大の機会は、電力網向けの大規模エネルギー貯蔵システム(ESS)にある。韓国バッテリー企業の競争力は主に輸出市場で発揮されている。しかし周辺国から電力を輸入できない韓国だからこそ、蓄電設備がより重要になる。国内で生産した再生可能エネルギーによる電力を、より多く活用できるからだ。洋上風力発電も重要な要素だ。韓国の製造業の能力を生かせば、設置船や基礎構造物、洋上変電所の市場にも進出できる。最後は送電網だ。西海岸エネルギー高速道路が沿岸部の再生可能エネルギー発電団地と産業界の電力需要を結び付ければ、外部からの衝撃にも強い電力網を構築できる。



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