8月、釜山(プサン)港の神仙台(シンソンデ)、戡蛮(カムマン)埠頭に輸出入貨物が積まれている様子。聯合ニュース
韓国産業通商部によると、1~9月の韓国の対米貿易収支黒字は847億ドルだ。3四半期で昨年の年間黒字495億ドルだけでなく、これまでの年間最大記録である2024年の556億ドルも大きく上回った。今年の月間平均黒字が94億ドル水準であるだけに、史上初めて年間1000億ドルを突破する可能性が大きい。人工知能(AI)特需にともなう半導体輸出好調などが対米黒字拡大を牽引した。
こうした対米黒字急増は新たな通商負担として返ってくる恐れがある。トランプ政権は昨年4月に大規模貿易赤字を米国経済と国家安全保障に対する脅威だと規定し、国別の相互関税を発表した。米国の相手国別貿易赤字とその国からの輸入額などを使って関税率を算定した。韓国には25%、日本には24%などの関税を予告した。その後韓国は3500億ドル規模の対米投資を約束し関税率を15%に引き下げることで合意した。
韓米両国は1日、10カ月以上続いた交渉の末に対米戦略投資プロジェクトを発表し、本格的な履行に出た。だが通商対立の火種は依然として残っている。代表的な事例がアラスカ液化天然ガス(LNG)開発事業だ。韓米両国は商業的合理性などを検討して事業推進の可否を決めることにしたが、トランプ大統領は韓国の投資を既定事実化している。韓国政府としては事業性を検討して投資の可否を決めなければならないが、米国の要求を断る場合には追加通商圧力につながりかねない。
米国の追加関税賦課の可能性も変数だ。米通商代表部(USTR)は3月に韓国を含む16経済圏を対象に製造業過剰生産関連貿易法301条の調査に着手した。米国の対韓商品貿易赤字が2024年に560億ドル、昨年は約490億ドルに達した点などが指摘された。調査の結果により追加関税につながる可能性を排除することはできない。サムスン電子とSKハイニックスなどを狙った半導体生産施設の米国現地化の圧力も依然として続いている。
こうした状況での対米黒字急増は韓国政府の交渉負担をさらに増やしている。昨年対米投資をすることを約束した金額は韓国が3500億ドル、日本が5500億ドルで日本が多かった。だが日本の対米貿易黒字は上半期に前年同期より23.4%減少したが、韓国は急増した。
西江(ソガン)大学国際大学院の許允(ホ・ユン)教授は「米国産エネルギーなど米国に輸入を多角化できる品目の輸入を増やして対米貿易黒字が急激に増加しないよう政府レベルで管理する必要がある」と明らかにした。
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