7月。ソウル・光化門の教保文庫を訪れた市民が本を読んでいる。[写真 ニュース1]
教保文庫によると、今年初めから米国や英国など海外の企業から韓国語の図書を大量に買いたいという問い合わせが寄せられている。教保文庫は小売り業者などを対象にした卸売図書流通事業もしている。教保文庫は「米国の業者が最も多かった。現在まで問い合わせがあった業者数は約10社」と説明した。
これら業者の図書購入の問い合わせはこれまでと違うおかしな点があった。特定の図書を買うというのではなく、特定分野を買うというものでもなかった。図書名や分野に関係なく約10万種の図書を「1種類1冊ずつ」買うという。
教保文庫は「できるだけ多くの種類の図書を確保しようとしている点で一般的な取引と違いがあった。欧米やベトナムなど韓国図書を買っていく海外書店は一般的に図書目録と購入目的を提示する」と明らかにした。
8月にイエス24中古書店などに古本の大量買い入れの問い合わせをした米アリゾナ州のB社の図書買い入れも似た方式だった。記者がB社と接触してみると、B社は子ども向けなどを除いた図書を購入するとし、「図書別に1冊ずつ買うので、全体の数よりそれぞれ異なる図書の種類の数がより重要だ」と明らかにした。AI学習は同じ本を2冊でやる必要はない。B社は教保文庫にも購入の問い合わせをしたという。
教保文庫は大量購入問い合わせをした企業に最終納品先がどこなのかを尋ねた。しかしこれら業者は「最終納品先の情報は秘密維持事項で公開できない」と答えた。購入目的が何かも尋ねたが回答はなかった。「AI学習目的ではない」と答えながらも「最終納品先はデータ関連企業」と答える業者もいた。
教保文庫は結局取引協議を中断した。教保文庫は「AI学習に活用される可能性を排除しにくいと判断した。こうした取引が韓国の出版社と書店など図書流通業界に及ぼしかねない潜在的リスクを考慮し、最終納品先と図書活用目的が確認できない場合には取引を進行できないという立場を伝えた」と説明した。
教保文庫は「(AI学習用と疑われる購入に対する)出版社と流通業界間の情報共有と対応原則をまとめる必要がある」と明らかにした。
海外でもAI企業は古本だけでなく新刊本も買い入れている。日本書籍出版協会によると、図書流通会社である日本出版販売は米AI企業アンソロピックに2024年12月から1年間にわたり日本語の新刊本を販売した。アンソロピックが古本だけでなく新刊本をAI学習に利用したという事実も昨年7月に確定した米国裁判所の判決で確認された。
古本と新刊本を問わずAI学習用購入と疑われる図書注文が確認され、出版業界の対応も素早くなっている。大韓出版文化協会はこのほど理事会を開き対応策を話し合った。その結果、一般書店、中古書店、流通業者に公文書を送り実態調査をすることにした。他の出版関連団体と実務陣中心の協議体を構成しようというアイデアも出てきた。
また、6日にドイツのフランクフルトブックフェアで発表された声明に参加するという内容の共同声明書を他の出版団体と連帯して発表することにした。フランクフルト声明は作家の同意のないAIの出版物学習を批判し、「AI学習に使われた作品を明らかにせよ」というのが主要内容だ。
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