ドナルド・トランプ米大統領が10日(現地時間)、メリーランド州のアンドルーズ統合基地で記者団と話している。[AFP=聯合ニュース]
マリン長官は同日、CBSテレビとのインタビューで、イスラム教徒のニダル・ハサン死刑囚を銃殺刑に処し、その様子を生中継した場合、過激派を勢いづかせたり、ハサン死刑囚を殉教者にしたりする恐れがあるとの懸念に対し、「現時点では危険が増すとは考えていない」と述べた。さらに「米国を攻撃する者は必ず相応の処罰を受けるということを、国民が理解する必要があると思う」と語った。
マリン長官は続けて「ドナルド・トランプ大統領は立派に職務を果たし、米国の価値を取り戻している」としながらも、「全員が(生中継を)直接見る必要はない」と付け加えた。
米国防総省は、2009年にテキサス州のフォートフッド基地で銃を乱射し、同僚の軍人13人を殺害した元軍医のニダル・マリク・ハサン死刑囚(元少佐)の銃殺刑を、12月3日午後1時(事件発生時刻)に執行し、その様子を中継する方針を発表した。トランプ大統領もこれを承認した。
今月初め、トランプ政権は第2次世界大戦以降初めて、軍における銃殺刑を復活させた。ハサン死刑囚の刑が執行されれば、米軍史上65年ぶりとなる。特に、処刑の様子が一般向けに生中継されるのは、建国250年の米国史上初めてだ。
これについてピート・ヘグセス米国防長官は「人々が視聴できるよう、(刑の執行を)公開で行う」とし、「このような行為(銃乱射テロ)には重大な結果が伴うことを人々は知るべきだ」との立場を示している。
しかし、死刑執行の生中継をめぐる論争は米国全土に広がっている。特にイランとの戦争が続く中、生中継が強行されれば、イスラム過激派を刺激し、その勢力拡大に利用されるほか、米本土や米国民への攻撃を招く恐れがあるとの懸念が高まっている。
こうした懸念は共和党内でも広がりつつある。共和党のリサ・マーカウスキー上院議員(アラスカ州)は「今回の件を含め、いかなる死刑執行も生中継する理由はない」とし、「テロリストや独裁者がやりそうなことであり、米国で起きるべきことではない」と批判した。同じく共和党のケビン・クレーマー上院議員(ノースダコタ州)も、死刑執行の生中継が過激主義の拡大に拍車をかける可能性があると指摘した。
米国出身初のローマ教皇レオ14世も、「世界死刑廃止デー」に当たる10日、ソーシャルメディア(SNS)に「死刑は人間の尊厳に対する攻撃であり、容認できない」とし、「死刑に頼らなくても、共通善を守り、正義の要求を満たすことはできる」と投稿した。
教皇のメッセージは、米国防総省が死刑囚の処刑の様子をリアルタイムで公開すると発表した直後に出された。バチカンの国務長官を務めるピエトロ・パロリン枢機卿は、生中継の計画について「本当に理解できないことだ」とし、「死を見せ物にすることは容認できない」と強く批判した。
カトリック信者として知られるJ・D・バンス副大統領も、死刑執行の生中継を見るかとの質問に「見ない」と答え、不快感を示した。
一部では、トランプ政権が20日余り後に迫った中間選挙を前に、断固として法を執行する姿勢を示し、保守層の結束を図ろうとしているとの見方が出ている。死刑制度を維持している23州の大半は、共和党が優勢な地域だ。トランプ大統領は賛否両論があることに言及し、「最終決定は私が下す」との立場を明らかにしている。
この記事を読んで…