ノーベル平和賞に南アフリカの人権活動家ナビ・ピレイ氏、戦争犯罪の処罰に尽力…「北朝鮮収容所の人権侵害」報告書も
中央SUNDAY/中央日報日本語版
2026.10.10 11:36
今年のノーベル平和賞受賞者に選ばれたナビ・ピレイ元国連人権高等弁務官[AP=聯合ニュース]
ノルウェー・ノーベル委員会は9日、平和の促進と国際法の発展に貢献した功績により、ピレイ氏を今年のノーベル平和賞受賞者に選定したと発表した。委員会はピレイ氏について「卓越した勇気と断固たる決意を持って包括的な国際法秩序の構築を主導してきた人物」とし「戦争犯罪や人道に対する罪、ジェノサイド(集団殺害犯罪)などが法の裁きを受けるようにするうえで中心的な役割を果たしてきた」と紹介した。
さらに委員会は「戦争や紛争が増え、国際法に関わる司法機関や団体が政治的な攻撃を受けているこの時期に、武力や暴力を用いずに紛争を解決する能力は、国際法の支配にかかっているということを改めて想起させたい」と強調した。
南アフリカ出身の国際法曹であるピレイ氏の人生は、人種差別の被害者から、国際人権と司法の正義を守る立場へと歩む道のりだった。1941年、南アフリカのダーバンでインド系の家庭に生まれたピレイ氏は悪名高いアパルトヘイト(人種隔離政策)体制下で育った。南アフリカのナタール大学で法律を学び、弁護士としてネルソン・マンデラ元大統領をはじめ人種差別に立ち向かう活動家たちを弁護した。ピレイ氏が「法廷のマンデラ」と呼ばれる理由だ。ハーバード大学ロースクールで修士号と博士号を取得した後、1995年には白人以外の女性として初めて南アフリカ高等裁判所の判事に任命された。マンデラ元大統領の就任後、民主主義と人権を中心に国家を再建していた時期だった。
その後は活動の場を国際社会に広げた。1995年にルワンダ国際刑事裁判所(ICTR)の判事に選出され、1999~2003年にはICTR所長を務めた。裁判の過程ではルワンダのジェノサイド当時の性暴力犯罪を国際刑事司法の主要な議題として扱ううえで重要な役割を担った。AP通信は「性暴力やレイプ、さらにはプロパガンダ活動が人道に対する罪やジェノサイドにつながり得ることを確認するうえで重要な役割を果たした」と評価した。
2003~08年には国際刑事裁判所(ICC)の判事を務めた。ICCは戦争犯罪や人道に対する罪などを犯した犯罪者を処罰する機関だ。トランプ大統領が「米国と主要同盟国のイスラエルを標的に違法かつ根拠のない行動をしてきた」と対立姿勢を示した機関でもある。
ピレイ氏は2008~14年には国連人権高等弁務官も務めた。世界各地で発生した人権侵害に声を上げた。2016~17年には国際法曹協会(IBA)の戦争犯罪委員会で、北朝鮮の政治犯収容所における人道に対する罪の調査委員長を務め、2022年には後続の調査団でも活動した。当時、脱北者の証言や拘禁施設に関する資料を検討し、「北朝鮮の収容所では広範な人権侵害があった。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長や北朝鮮当局者に対するICCレベルの捜査の必要性を検討するべき」とする報告書を出した。
国連人権高等弁務官を務めた時期には旧日本軍慰安婦問題に関連して日本政府を厳しく批判する声明も発表した。2017年、旧日本軍慰安婦関連記録の保存に関する国際学術会議に出席するため韓国を訪問した際には、「慰安婦問題と北朝鮮の人権問題は政治・外交問題である以前に人間の尊厳に関わる問題」とし「韓国が人権問題の解決を主導するべき」と強調した。
ピレイ氏の受賞は受賞に意欲を見せてきたトランプ大統領とも対照的だ。トランプ大統領は「国際紛争の解決に貢献した」とし、自身に受賞の資格があると主張してきた。しかし委員会はこの日、国際法と人権を守るために闘ってきたピレイ氏を受賞者に選んだ。「大国であっても国際法の例外にはなれない」という原則を改めて想起させた形だ。ノーベル平和賞の受賞者にはメダルと賞状、賞金1200万スウェーデンクローナ(約1億9000万円)が贈られる。
この記事を読んで…