カナダの詩人アン・カーソン氏が2015年5月、スウェーデンのストックホルム近代美術館で上演された自身の戯曲『Antigonick(アンティゴニック)』で自ら演じている様子。AFP=聯合ニュース
カーソン氏はノーベル文学賞の発表直後、ノーベル賞側のJenny Rydén氏との電話インタビューで、受賞の知らせを聞いた時の状況をこのように明かした。カーソン氏は現在、アイスランド・レイキャビクの海辺に滞在していると明らかにした。続けて「北極の方の海が見える。劇的な話を聞かせられなくて申し訳ない。ここではただの普通の一日だ」と語った。受賞を祝う方法も静かなものだった。カーソン氏は「電話に出なくて済むよう、できるだけ外に出て森を歩くつもりだ」とし、「静けさに耳を傾けようと思う」と明らかにした。カーソン氏は2022年にアイスランド国籍を取得し、現在はカナダとアイスランドの二重国籍者だ。
ノーベル文学賞の意味については「まだ考えていない」と答えた。「(私の受賞は)ちょっとばかげているように思う。皆さん、どうかしているようだ」とも語った。カーソン氏は賞金をどう分けるか考えているという。「家を必要としている友人が一人いる。普段から国境なき医師団にも多く寄付している」と付け加えた。ノーベル賞の賞金は1200万スウェーデンクローナ(約1億9000万円)だ。
カーソン氏は自身の執筆活動について「思いがけず始めたこと」とし、「いつも別の何かをしようとしている」と説明した。カーソン氏は1981年に古典学の博士論文『私は憎み、愛する、ゆえに存在する』を発表し、1986年に出版した最初の著書『エロス、苦い味』はこの論文を基に書いたエッセーだ。その後も創作活動は詩、小説、エッセーの間を自由に行き来し、ジャンルの境界にとらわれずに続けられた。
「インスピレーションを得るために読む作家はいるか」という質問に、カーソン氏はホメロスを挙げた。古典学者であるカーソン氏にとって、古代ギリシャ・ローマ文学は学問的な基盤であると同時に、創作の素材でもあった。例えば代表作『赤の自伝』(1998年)は、ヘラクレスに殺されるギリシャ神話の怪物ゲリュオンを、現代の傷ついた少年としてよみがえらせた。カーソン氏は「私は古典が今日の私たちにとってどのような意味を持つのかには関心がないようだ。私たちが古典の中の彼らにとってどのような意味を持つのかに関心がある」と語った。
「読者にはカーソン氏のどの作品から読むことを勧めるか」という質問に、カーソン氏は「どこから始めても構わない」とし、「途中から始めるといい」と助言した。作家を目指す人々への助言も「途中から始めるといい」だった。
カーソン氏はノーベル文学賞受賞者の発表直後、アイスランドの公共放送RÚVのインタビューにも応じた。「受賞によって読者層が変わると思うか」という質問に、「出版社はそうなることを望むだろうが、私には分からない。変わることは変わるだろう。私の本の表紙にシールが貼られるだろうから」と答えた。
カーソン氏は2008年からアイスランドを訪れるようになり、アイスランドの詩人たちと多く出会い、交流してきたと明らかにした。1955年にノーベル文学賞を受賞したアイスランドの小説家ハルドル・ラクスネスについては「素晴らしい作家」と評した。
今日における詩の役割については「特に言うことはないように思うが、今は詩が散文より役に立つかもしれない。早く読めるし、みんな忙しいから。つまり、基本的に短いところがいいと思う」と語った。ただし「ホメロスは短くないので例外だが」と付け加えた。
ノーベル賞の授賞式はアルフレッド・ノーベルの命日である12月10日、スウェーデン・ストックホルムで開かれる。
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