米クリーブランド美術館が所蔵する「宝生院十王図」のうち第4五官王。2019年に購入したこの作品について、クリーブランド美術館はホームページで1300年代後半の高麗仏画と明記しており、今回の展示でもこれを確認する方針だ。[写真 クリーブランド美術館]
これまで学界で議論が続いてきた「宝生院十王図」を展示するたび、国立中央博物館は「高麗後期または南宋」「南宋・元あるいは高麗」とするなど、判断を留保する姿勢を取ってきた。現在、ホームページには「国籍不明・時代不明」と表示している。これを高麗仏画に分類する展覧会に出品することになったのは、「美術館側からの貸し出し要請に応じたもので、先方が根拠を確保したと聞いている」(展示企画課担当者)という。ある古美術関係者は「国を代表する博物館が自館の所蔵品を貸し出しながら、その国籍・時期の判断を海外の美術館の眼識に委ねた格好だ」と皮肉った。
国立中央博物館遺物管理部は「贋作かどうか」に関する中央日報の質問に、「所蔵先の6機関はいずれも真作と判断しており、鄭于澤教授の主張は学界の少数意見」との立場を伝えた。これに対し鄭教授は「この作品が真作なら、これまでの私の研究を全部ひっくり返してもいい」と強く反発した。
韓国美術情報開発院の尹哲圭(ユン・チョルギュ)代表は「博物館の人員の限界から外部専門家に頼ってきた状況で、今回の事態は専門家の見解が分かれたことで、学術的な脆弱性が露呈した形」と指摘した。
昨年、観覧客650万人を突破した国立中央博物館が、学術研究の遂行面で後退しているとの指摘も出ている。2016年に10億ウォン(約1億1600万円)だった学術研究予算は今年、6億4000万ウォンまで削られた。博物館は最近、愛国志士の遺墨として展示していた作品が親日派の筆跡だったことが判明し、物議を醸したことがある。
☞宝生院十王図=仏教で死後の審判をつかさどるとされる10人の王(十王)を、絹10幅にそれぞれ縦61.0~64.0センチ、横45.0~46.0センチの大きさで描いた。一般的な十王図の図像と同様、上部には王と眷属、下部には地獄の場面が表現されている。10幅すべての裏面上部に「喜多山 寶生院」という所蔵印が押されているため、略称で「宝生院十王図」などと呼ばれている。
親日派の筆跡見抜けなかった国立中央博物館、高麗仏画に贋作論争(1)
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