27日、京畿道城南市盆唐区(キョンギド・ソンナムシ・プンダング)にある、中国国家主席の名前を商号(店名)に使った飲食店の外観。24日に中国国籍の男性4人からラッカー塗料を塗られるなどの被害を受けた。イ・アミ記者
中華料理店「シージンピン(習近平)」の店主Aさんは28日、中央日報との電話で「この日午前、管轄の区庁に行き、従来の商号を別の商号に変更するための届け出をした」とし、「容疑者らが出国したとしても、また別の人が侵入して犯罪を犯すのではないかという恐怖が大きかった。周囲の人に被害が出る前に商号を変えることにした」と話した。
京畿・盆唐警察署は、24日未明にこの中華料理店に侵入し、店内の各所にラッカー塗料やペンキを塗った疑いが持たれている中国国籍の男性4人を追跡している。食材には農薬とみられる物質までまいたことが調査で分かった。容疑者らは犯行当日、航空便を利用して中国の煙台や上海などに出国したことが把握された。警察は28日、4人に対する逮捕状を請求した。逮捕状が発付されれば、国際刑事警察機構(ICPO・インターポール)に赤色手配を要請する方針だ。
Aさんによると、今回の事件による財産被害は約1500万ウォン(約174万円)に上る。Aさんは「パソコン2台や店の備品などが壊されて発生した被害だけでその程度」とし、「もともと27日から通常営業する予定だったが、事件後、数日間にわたって店を開けられずにいるため、営業損失まで加えれば被害ははるかに大きい」と訴えた。
この中華料理店は近く営業を再開し、今週中に新しい商号が書かれた看板に交換する予定だ。この日まで臨時休業中の店の前では、ユーチューバーなどが「CCP(Chinese Communist Party・中国共産党) OUT」と書かれたプラカードを持って数日間にわたり現れ、1人デモをするなど混乱が続いている。
◇開業直後からネットミームとして話題に
この店は2018年の開業直後から、その名前のためインターネットコミュニティーなどで「中国人は行けない中華料理店」と呼ばれ、長期間にわたってネットミーム(Meme・インターネット上で流行する創作物)として消費されてきた。「天安門」「MAO」などの商号を使う飲食店も一緒に取り上げられていた。ただ、容疑者らがこうした情報を事前に知っていたかどうかは確認されていない。警察は「まず容疑者らの身柄を確保した後、経緯を調べる必要がある部分」としている。
商号や店舗の表現物が政治・宗教・文化的な論争と結びつき、現実の攻撃につながった事例は以前にもあった。昨年8月、仁川市南洞区(インチョンシ・ナムドング)のあるチキン店では、店主が店の電光掲示板にセウォル号惨事の追悼文を掲示したところ、客から暴行を受けるという事件が発生した。ただ、今回の事件は、外国人が韓国国内で表現の自由の領域に属する飲食店の商号を問題視して犯行に及んだ可能性が高いという点で、異例だという分析も出ている。
韓国外国語大学政治外交学科のイ・ジェムク教授は「韓国では権力を持つ人物であっても神聖視しない傾向があるが、中国では国家最高指導者の名前を飲食店の商号に使うだけでも侮辱的に受け止められる可能性がある」とし、「両国の政治・社会・文化的な違いが暴力的な形で表出した事例」と指摘した。
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