[先に見る米中首脳会談]中間選挙控えたトランプ大統領、4期目狙う習近平主席…国内用トロフィのため「スモールディール」か(2)
中央SUNDAY/中央日報日本語版
2026.09.19 12:02
5月14日、中国北京の天壇をともに訪れたトランプ大統領(左)と習近平国家主席 [AP=聯合ニュース]
通商問題はグローバルガバナンスをめぐる論争とも関係している。中国は多国間貿易体制の安定を強調しながら米国の保護主義と一国主義を批判し、多国間貿易体制への復帰を求めている。米国の反論も強い。中国も公正な競争や知的財産権の保護という国際的なルールを十分に守っていないと指摘している。
最近、新たな争点として浮上した、いわゆるAIの「知識蒸留(knowledge distillation)」もこの問題とつながっている。米政府は中国のAI企業が「知識蒸留」を通じて米国の先端AIモデルから得た情報を自国のAI開発に利用していると批判している。米国はこの過程で自国企業の技術や知的財産が大きく侵害される可能性があるとみている。中国はこれを否定している。「知識蒸留」はAI開発の過程で広く使われている一般的な技術というのが中国側の反論だ。AI競争はもはやどちらが優れた技術を開発するかという問題にとどまらず、知的財産権や貿易ルールをめぐる対立へと広がっている。
このように双方に国内政治上の事情があるにもかかわらず、今回の首脳会談を通じて貿易分野で明確な進展を実現するのは容易ではないとの見方も少なくない。今回の会談を契機に米中の戦略的競争そのものが緩和される可能性も高くない。グローバルガバナンスや地域の安全保障秩序はもちろん、台湾、先端技術、サプライチェーンなど両国の競争を避けられなくする構造的な要因が根深く存在しているためだ。
とはいえ、中国による対米投資や米国製品の購入拡大、米国による関税や技術規制の緩和などをめぐり双方がそれぞれの要求を示し、どこまで互いに譲歩できるのかを確認する会談となる可能性は依然としてある。AIの安全性など一部の懸案については、世界規模のルールやガバナンスの構築をともに模索する姿勢を演出する可能性もある。戦略的競争を管理するという観点から、対立と競争だけでなく、限定的ではあっても協力できる分野が存在することを国際社会に示す必要があると、両国とも認識しているからだだ。
実際、両国ともに競争を制御不能なレベルまで激化させることを望んでいない。2つの戦争をはじめとする国際紛争が続く状況で、両国とも国内で政治的・経済的な負担を抱えているのが現実だ。5月にも両首脳は両国関係を安定的に管理する必要性について一定の共通認識を示した。今回の会談もその延長線上で見る必要がある。「管理された競争(managed competition)」というグローバル戦略的競争の枠組みを維持しながら、互いが譲歩できる範囲と譲れない一線を確認し、可能な限り実利を追求するとの見方が説得力を持つ理由だ。
パク・ジェジョク/延世大国際学大学院教授
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