韓国外交部の趙顕(チョ・ヒョン)長官が17日、仁川(インチョン)国際空港第2旅客ターミナルで、韓米外交長官会談に出席するため米ワシントンDCへ出発する際、記者団の質問に答えている。キム・ギョンロク記者
韓国外交部の趙顕(チョ・ヒョン)長官は、対米関係の難題が山積するなか、17日に米国へ出発した。18日(現地時間)のマルコ・ルビオ米国務長官との会談を前に、交渉のてこにするつもりだった対米投資プロジェクトの発表は延期された。米国が求めてきたホルムズ海峡への派兵をめぐる動きも、国内の反対世論を受けてペースを落としている。手元に有効なカードがないなかで韓米双方の接点を探らなければならず、趙長官にかかる調整の負担は増している。
趙長官は出発に際し、対米投資の発表延期について「国内の手続き上の問題をはっきりさせるためだ」と述べた。しかし、実務交渉では依然として多くの争点が残っているという。
当初、韓国政府は17日に国会へ対米投資に関する内容を報告し、18日に韓米両国が覚書(MOU)に署名する日程で調整を進めていた。最終段階まで、米国内の大型原発建設事業に韓国型の「APR1400」2基を含める案や、アラスカの液化天然ガス(LNG)事業を投資パッケージに組み込むかどうかなどをめぐり、調整が続いたという。双方が最終的な合意点を見いだすにはさらに時間が必要となり、発表の日程も後ろ倒しになった。投資の成果を先に示し、それを主要懸案の協議で交渉のてことする構想にも支障が生じた形だ。
もう一つの懸案であるホルムズ海峡への派兵についても、政府の方針は決まっていない。趙長官は「現時点でわれわれの立場はまだ決まっておらず、さまざまな要素を考慮して検討している」と述べ、「国際的な協力には参加する一方、国民の安全とホルムズ海峡における航行の自由を優先して検討するという立場を米国側に説明する」と語った。
政府は当初、17日の国家安全保障会議(NSC)常任委員会でホルムズ海峡の問題を協議する案を検討していた。しかし、派兵をめぐる議論が明らかになると、与党側や市民社会を中心に反対の声が強まるなど、論争が広がった。結局、同日のNSC常任委員会は開かれなかった。鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官は国会外交統一委員会で、NSC常任委員会が開かれたかどうかを問われ、「開かれなかった」と答えた。韓米外交長官会談の前に開く計画についても「ない」と述べた。
朴潤柱(パク・ユンジュ)外務第1次官も同委員会で、「派兵については、まだ具体的に決まったことはない」と述べた。そのうえで、「基本的に韓米同盟という観点よりも、航行の安定、エネルギー供給ルートの安全、現地在住の韓国人や国民の安全に重点を置いて考えている」と語った。国内で「派兵」という表現が使われていることについても、「国際社会と話し合っているのは、基本的には『貢献』だ」と述べ、「派兵」とは一線を画した。政府は趙長官の訪米結果も見極めたうえで、ホルムズ海峡での貢献の方法と今後の手続きを改めて協議するとみられる。
このため今回の会談では、決定済みの政府方針を米国側に伝えるよりも、国内の状況を説明し、米国が期待する貢献の水準を把握して双方の隔たりを縮めるうえで、趙長官による調整が重要になった。
原子力推進潜水艦の導入など、2度の韓米首脳会談の成果である共同ファクトシートの安全保障分野の合意を具体化するための協議も、議題になる見通しだ。趙長官は「これまで実務担当者間で協議を続けてきた」と述べ、ファクトシートの履行を「できるだけ早く進める」と語った。
朝米対話の可能性も協議されるとみられる。趙長官は「主に動向を聞いたうえで、話をしたい」と述べ、「朝米関係に何らかの突破口が開かれるなら、韓国政府としても歓迎すべきことだ」と語った。
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