朝鮮中央テレビは2020年6月17日、開城(ケソン)南北共同連絡事務所の爆破映像を公開した。映像には爆発音とともに連絡事務所が灰色のほこりの中に姿を消し、すぐ隣の開城工業団地総合支援センターの正面のガラス窓が粉々に割れる様子が映っていた。[写真 聯合ニュース]
ソウル中央地方法院(地裁)民事合議46部(キム・ヒョンチョル部長判事)は16日午前、韓国政府が北朝鮮を相手取って起こした損害賠償請求訴訟の判決期日を開き、原告勝訴の判決を言い渡した。
韓国政府レベルで北朝鮮当局を相手取って起こした初の損害賠償請求訴訟だ。原告は「大韓民国」、被告は「朝鮮民主主義人民共和国」だ。
一審裁判所はこの日、被告は原告に446億2641万722ウォンを、2020年6月16日から2025年6月7日までは年5%、その翌日から(全額が支払われる日まで)年12%の割合で計算してそれぞれ支払うよう命じる判決を下した。訴訟費用は全額被告が負担するよう命じた。
2020年6月16日に北朝鮮が爆破した「南北共同連絡事務所」は、歴史的な4・27板門店(パンムンジョム)宣言の結実であり、文在寅(ムン・ジェイン)政権の対北朝鮮政策の象徴だった。
2018年4月27日に板門店で会った当時の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は「板門店宣言」を通じ、開城地域に南北が常時連絡できる事務所を設置することで合意した。その後の高官級会談で開城工業団地内に設置することを決定し、建設と改修に約168億ウォンを投じ、開城工業団地内の南北交流協力協議事務所として使用されていた4階建ての建物に設置されたのが南北共同連絡事務所だ。板門店宣言からわずか140日という異例の速さで開所式が行われ、南北関係改善への意志が強調されたこともあった。
2018年9月14日に開かれた開所式には、南北高官級会談の首席代表だった趙明均(チョ・ミョンギュン)当時統一部長官と李善権(リ・ソングォン)北朝鮮祖国平和統一委員長が署名者として出席し、「南北共同連絡事務所の構成・運営に関する合意書」に署名した。
その後、南北共同連絡事務所は南北間の交渉および連絡、当局間の会談および協議、民間交流支援、往来する人員の便宜保障などの機能を担った。文元大統領が板門店で「南と北が会いたい時にはいつでも会えるようにしなければならない」と強調したように、南北間で24時間連絡できる交流・協力の場ができ、文在寅政権の対北朝鮮政策の象徴とみなされた。
しかし北朝鮮は2年後、脱北者団体による北朝鮮向けビラ散布を問題視し、これに対する反発および対応として連絡事務所の建物を一方的に爆破した。金与正(キム・ヨジョン)北朝鮮労働党第1副部長(当時)が「遠からず役に立たない北南共同連絡事務所が跡形もなく崩れ落ちる悲惨な光景を見ることになるだろう」と警告してから3日後のことだった。
連絡事務所が設置された工業団地の土地は北朝鮮所有だが、建設費として韓国の税金約180億ウォンが投入されたため、北朝鮮に賠償責任が生じるというのが韓国政府の立場だ。
請求額447億ウォンは、北朝鮮による共同連絡事務所爆破に伴う連絡事務所庁舎(約102億5000万ウォン)と隣接する総合支援センター(約344億5000万ウォン)の損害額を合わせた金額だ。
裁判は北朝鮮に訴訟が提起された事実を知らせる方法がないため、訴状を公示送達するなどの方式で進められた。公示送達は訴訟書類を送達できない場合、裁判所が掲示板や官報などに送達する内容を掲載した後、内容が伝達されたものとみなす手続きだ。
北朝鮮はこれまでの民事訴訟と同様に、慰謝料の支払いに応じないとみられる。北朝鮮に損害賠償の履行を強制する手段は現時点ではない状況だ。
これに先立ち、裁判所は統一部の要請により、この事件の判決期日を一度延期した。当時、統一部は判決後の措置などを検討するため延期を要請したという。
統一部はこの日の判決について「政府は裁判所の判断を尊重し、必要な措置を検討していく」とし、「政府は南北対話が再開され、すべての南北間の問題が対話と協力を通じて解決されることを期待する」と明らかにした。
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