先月7日、メッカ共同防衛協定に署名した3カ国首脳。左からトルコのエルドアン大統領、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子、パキスタンのシャリフ首相。 [AFP=聯合ニュース]
◆NATO第5条を援用して共同防衛を宣言
先月7日、イスラム教の聖地サウジアラビアのメッカで、サウジアラビア、トルコ、パキスタンの3カ国は共同防衛協定を締結した。31日には閣僚級会議を開き、この協定を「メッカ防衛同盟」と正式命名した。イスラム諸国間で初めて集団安全保障条約が締結されたのだ。これを受け、サウジアラビアの莫大な石油資本、NATO加盟国で2番目のトルコの兵力規模と防衛産業能力、パキスタンの核兵器と蓄積された情報・対テロ経験が結合した。
今回の同盟発足は3カ国が抱える安全保障上の不安が理由だ。世界の警察国家としての米国の中東に対する安全保障公約はトランプ政権2期目に入って著しく弱まっている。今回のイラン戦争で見られたように、イランとイスラエルの衝突は周辺国を望まない戦争に巻き込むおそれがあることが確認された。戦争を防ぐための国際法と国連安全保障理事会は機能不全に陥って久しい。これを受け、メッカ同盟は加盟国の一国が武力攻撃を受けた場合、それをすべての加盟国に対する攻撃と見なすNATO条約第5条を援用した。ここに同じスンニ派イスラム国家というアイデンティティーは国民の支持を得る大衆的な訴求力を持つ。
もともと3カ国の安全保障を脅かす主要な敵対国はそれぞれ異なる。サウジアラビアはシーア派イスラム国家の盟主イランと、イエメンのフーシ派反政府勢力のようなイランの代理勢力だ。トルコは欧州ではギリシャと長年にわたり緊張関係にあるが、最近ではイスラエルをより大きな安全保障上の脅威とみている。イスラム国家のうち唯一の核保有国であるパキスタンの宿敵はインドだ。この点から見ると、現在メッカ同盟は共通の敵(NATOの場合はロシア)に対抗する同盟というよりも、各加盟国の安全保障上の不安を抑えるための取引型・機能型の安全保障連携という性格が強い。3カ国は「この同盟は拡大のために設立された」と宣言するほど参加国拡大にも積極的だ。現在、エジプト、バングラデシュ、マレーシアなどが参加に関心を表している。
◆パキスタン、サウジアラビアの警告をイランに伝える
メッカ同盟は発足すると、加盟国の安全保障上の脅威に対応した。ロイター通信は9日、サウジアラビアの原油輸出主要ルートである紅海のバブ・エル・マンデブ海峡をめぐりフーシ派反政府勢力とサウジアラビア主導の連合軍との戦闘が激しさを増す中、パキスタンがイランに対してフーシ派を統制するよう求めるサウジアラビア側の警告を伝えたと報じた。消息筋によると、米国・イラン間の戦争終結交渉を仲介するほどイランとの意思疎通のチャンネルを維持しているパキスタンは「フーシ派を抑えなければ代理戦争がより広範な域内の安全保障危機に発展するリスクがある」という明確な立場をイランに伝えたという
パキスタンのアシフ国防相は自国のテレビ番組で「一国に対する侵略は3カ国すべてに対する侵略と見なす」と述べ、共同防衛協定発動の最初の事例となる可能性があると警告した。しかしその効果は未知数だ。国立研究院のイン・ナムシク戦略地域研究部長は最近の報告書で「3カ国を結びつけたのは、誰も最後まで自分たちを守ってくれないかもしれないという共通の安全保障上の不安だ」とし「今後、メッカ同盟の成敗を見守る必要があるが、重要なのは彼らがもう米国、イラン、イスラエルがもたらす秩序に振り回されないと宣言したという事実」と説明した。
【コラム】メッカ同盟発足、北方領土の緊張高まる…揺れ動く地政学(2)
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