【コラム】過去最大の経常収支黒字を吟味する
あまりにも異例な状況でいろいろな質問が浮かび上がる。まずこの水準の経常収支黒字が続くか気になる。マカオやシンガポールのような都市国家を除けばGDPの20%の黒字を持続する国がない点で、韓国の黒字もどんな形であれ縮小するのが自然に見える。
その最初の経路は半導体景気だ。半導体を除けば黒字がすべて消えるほど最近の経常収支は半導体価格急騰に依存している(野村証券)。内外の供給能力拡充、とても高くなった半導体を節約する技術の発展のような中長期的変化だけでなく、人工知能(AI)投資急増にともなう国際金融市場不安や米国の通商圧力のような短期的衝撃も半導体景気変動の触発要因になり得る。
歴代級の好況に対応した半導体投資急増が関連装備輸入を大幅に増加させることもできる。ただ国全体の設備投資が250兆ウォン程度である点を考慮すれば、設備投資が20%急増してこの増加分がすべて半導体装備輸入で満たされても50兆ウォン(約350億ドル)程度の黒字縮小にとどまる。
それなら半導体景気が維持される限り大規模経常収支黒字も続くだろうか。そうではない。為替相場が調整される恐れがある。莫大な経常収支黒字は莫大なドル供給を意味し、したがって莫大なドル需要があってこそ為替相場が維持される。将来の海外投資に向けた企業のドル保有、個人投資家と国民年金の米国株投資、金利格差と為替差益を狙う投機性ドル需要、そして通貨当局のドル買い入れ(外貨準備高増加)などが代表的だ。これらはいずれもウォン資本がドル資産に転換される点で広義の「資本流出」(内国人の海外資産取得)に包括される。
このような資本流出が経常収支黒字とバランスを維持できるよう為替相場が絶えず動く。ある程度資本が流出しても経常収支黒字がその規模を圧倒すればドルが下落し黒字が縮小する。その結果、会計帳簿には「経常収支黒字=資本流出」という恒等式が記載される。すなわち、大規模経常収支黒字は大規模資本流出とほぼ同義語だ。これは韓国で活用することもできた600兆ウォンの資金が国外に抜け出るという意味でもある。昨年の総貯蓄953兆ウォンの半分以上だ。
【コラム】過去最大の経常収支黒字を吟味する=韓国(2)
この記事を読んで…