1日、青瓦台(チョンワデ、大統領府)で開かれた国務会議で発言する李在明(イ・ジェミョン)大統領 [青瓦台通信記者団]
6月の地方選挙で思わぬ1敗を喫したことでブレーキがかかった。独走に対する牽制心理が芽生えていたのを看過した。民心は常に絶妙なバランスをとる。その後、民主党代表選出をめぐり親李派と反李派に割れて醜い姿をさらしたうえ、株式・不動産をめぐる混乱も重なった。支持率はあっという間に就任後最低となる37.4%(リアルメーター、9月第1週)まで下落した。勢いに乗っていた政権発足当初を考えるとあまりにも早い失速だった。
何人かの人物を入れ替えて解決する問題ではない。危機の根源は大統領にある。政策もさることながら、統治スタイルに問題がある。第一に、李大統領には譲歩したり犠牲を引き受けたりする姿勢が不足している。自分自身の身辺や利益、権限にかかわる件では特にそうだ。すべてを手にしたのであれば、少しは手放して人に与え、時には自分が損をすることも必要だが、そうした振る舞いや余裕が見られない。生涯、厳しい環境の中で激しく闘争して勝ち取ることに慣れているからだろうか。
民主党の主導で李大統領の事件の公訴取り消しを強引に進めているのを見ると赤面する。「操作起訴特検法」として特別検察に公訴取り消しの権限を与える法案については与党内からも慎重論が出るほどだ。李大統領は公訴取り消しを率先して主張してきた金勝源(キム・スンウォン)議員を法務部長官に指名し、もう一つの人事失敗を招いた。国全体が特定の人物のための法律を作ることに奔走している印象を与えることが果たして公正なのか疑問だ。三権分立の原則を損なう懸念を生じさせながら大法院(最高裁)長と衝突しているのも同じだ。大法官(最高裁裁判官)増員法に基づき李大統領は任期中に大法官26人のうち22人を任命する。これほどならすでに十分に大きな剣を握っているのではないのか。
憲法改正をめぐる論争もそうだ。李大統領が「4年重任制で再選には出ない」と明確に表明すれば済むことだ。青瓦台(チョンワデ、大統領府)関係者は「大統領が再選しないと発言すれば、再選をめぐる論争がさらに激しくなる」と述べた。理解しがたい詭弁だ。検察を解体するために警察に権限を集中させておきながら、今になって「警察の問題は昨日今日のことではない」と言えばどうしろということなのか。国政全般に「司法リスク解消」のような李大統領の私的な動機や感情が入り込んでいるのではと疑う国民が増えている。
盆唐(ブンダン)のマンション売却もいろいろな意味で残念だ。あえて抵当権設定という奇妙な方法をとる必要があったのか。違法ではないが、一般的な方法でもない。国民は不動産問題に敏感だ。大統領であれば慎重であるべきだった。25億ウォン(約2億8600万円)の差益を得て売却した後、譲渡所得税を強化する税制改正案を打ち出した。余計な憶測を招く。急いで処分しなければならなかったのであれば、もう少し安く売りに出して通常の方法で売却するか、それが難しければそのまま保有するなど可能な限り物議を醸さないように処理するべきだった。
【コラム】李大統領に足りないもの(2)
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