コネクテッドカーが「タイヤが付いたスパイ」になるとの懸念が大きくなっている。カメラ、レーダー、ライダ、マイクなど先端装備が多くのデータを収集するためだ。[シャッターストック]
自動車業界によると、米国自動車革新連合(AAI)は最近、米共和党と民主党の指導部に中国製コネクテッドカーの販売と輸入。製造を永久に禁止する法案を年内に通過させてほしいと促した。米上下院議会は、中国側の株式が15%を超える自動車メーカーの米国内での車両販売を禁止する法案を超党派的に推進してきた。米国はすでに中国製電気自動車に最大125.7%の関税を課している。
欧州も状況は似ている。欧州連合(EU)は2月に「コネクテッド・自動化車両(CAV)と供給網」に対するサイバーセキュリティリスク評価の結果、サイバーセキュリティと物理的安全などの側面でリスク要因になり得るとの結論を出した。これと別にドイツ保安当局は中国製自動車のデータ収集と海外伝送の可能性などに対する技術的調査を実施した。欧州委員会も自動車など戦略産業の欧州内生産を増やすため産業加速化法を推進するなど安全保障の障壁を高めている。
米国と欧州がこうした規制に出たのはコネクテッドカーが走行過程で位置情報だけでなくカメラ映像、音声、周辺の事物の形態・距離、道路構造など各種センサーデータを持続的に生成するためだ。個別のデータだけでは意味が大きくなくても、長期間データを蓄積したり他の情報と結びつければ特定施設の空間的特徴や移動パターンを精密に再構成するのに活用できる。
韓国でも昨年、自動車管理法が改正されコネクテッドカーのサイバーセキュリティ管理システム認証とソフトウエアアップデート関連規制ができた。だが収集したデータの海外移転を防いだり外部アクセスの可能性があるソフトウエア、通信モジュール、センサーを遮断するには限界があると指摘される。韓国自動車モビリティ産業協会(KAMA)によると、今年上半期に新規登録された中国製車両(中国製テスラ含む)だけで7万9444台に達する。
軍部隊をはじめ、サムスン電子、SKハイニックス、ハンファエアロスペースなど国家先端産業事業所もやはり車両製造国やメーカーを基準として出入り制限をしはしない。車に搭載された先端センサーで生産ラインの配置や出入り動線、設備移動などの情報を収集するのは十分に可能と指摘される。
輸入車企業などが収集したデータを処理する方式も不透明だ。一例として中国BYDの韓国支社であるBYDコリアは個人情報処理方針を通じて一部顧客情報が中国本社に移転されると明らかにしている。先進運転支援システム(ADAS)用カメラ映像の場合、車両内で処理すると明らかにしたが、ライダやレーダーなど個別センサーデータの具体的な処理、保存、伝送方式と、そのデータを人工知能(AI)モデル学習に活用するのかどうかなどは公開していない。
大林(テリム)大学未来自動車学部の金必洙(キム・ピルス)教授は「中国製通信装備のバックドアが後に明らかになって議論があったように、コネクテッドカーもハードウエアとソフトウエアが複雑で、バックドアがあっても見つけるのは容易でない。コネクテッドカーは事実上フィジカルAIの開始段階だが、自動運転機能を通じて車両統制権まで奪うこともできる」と指摘した。続けて「中国はすでに軍事施設などにテスラ車の出入りを規制している。韓国で輸入車販売を防ぐことはできないが、重要な国家先端情報などが流出する
可能性が大きいだけに国家安全保障的観点で考えること必要だ」と付け加えた。
祥明(サンミョン)大学国家安全保障学科のユン・ジウォン教授は「韓国と中国はすでに自由貿易協定(FTA)を締結するなど特殊関係であるだけに、欧米のように特定ブランドを強く制限するのは難しい。ただし一部セキュリティ施設が独自のセキュリティ規定により出入り時にスマートフォンのカメラにセキュリティステッカーを貼るなどの措置を取っているだけに、コネクテッドカーに対しても類似の方式の対策を検討してみる必要がある」と話した。
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