NASAで宇宙士官学校の設立に関する大統領令に署名したトランプ米大統領 [NASA提供]
(1)米国、次世代宇宙分野の人材を養成する宇宙士官学校を新設
トランプ大統領は8月28日(以下、現地時間)、宇宙分野の次世代人材を育成する「米国スペースアカデミー(U.S. Space Academy)」設立のための大統領令に署名した。トランプ大統領はNASAのジョンソン宇宙センターで大統領令に署名した後、宇宙軍とNASA、民間宇宙産業を率いる人材を体系的に育成する構想を明らかにした。
今回の計画の特徴は、単なる宇宙技術の教育機関ではなく、陸・海・空軍士官学校に似た国家レベルの人材育成機関をつくることにある。宇宙士官学校はNASAが主導し、NASAのジャレッド・アイザックマン長官が大統領委員会を率いて技術教育・リーダーシップ・規律・公共奉仕を組み合わせた形になると予想される。卒業生は宇宙軍をはじめ、NASAや連邦機関、民間宇宙産業などに進む。
米軍にとってさらに重要なのは宇宙軍の人材確保と専門性の強化だ。2019年に創設された宇宙軍は衛星通信、宇宙監視、ミサイル警戒、衛星測位など、現代戦の核心機能を担っている。しかし宇宙軍が独立した軍種として成長する中で、これを支える将校と技術人材を安定的に供給することが課題に浮上した。新たな宇宙アカデミーは長期的には宇宙軍のための独自の人材プールを構築する手段となる可能性がある。
特に中国との戦略競争という側面で意味が大きい。米国は宇宙をもはや単なる探査・科学領域と見なすのではなく、軍事的競争が繰り広げられる核心作戦領域と位置付けている。衛星攻撃、宇宙監視、衛星通信妨害といった脅威が現実化している状況で必要なのは、単なる宇宙工学者ではなく、軍事戦略と先端技術を同時に理解する人材だ。
宇宙士官学校が直ちに米国の軍事的優位を保証するわけではない。すでに米空軍士官学校や既存の大学、宇宙軍独自の教育体系が存在するだけに、新たな機関が果たして追加的な価値を生み出せるかがカギとなる。設立費用や教育課程、卒業生の軍務義務、NASAと宇宙軍・民間企業の間での人材配分など解決すべき問題も少なくない。
それでも今回の構想は、米国が宇宙を未来産業の領域を超えて、国家安全保障と軍事力の核心基盤と認識していることを示す宣言として、大きな象徴性を持つ。宇宙士官学校が成功すれば、これは単に新たな士官学校を一つつくるということではなく、米国が宇宙を中心に軍事・科学・産業の人材を統合する、新たな国家的人材育成システムを構築する出発点となる可能性がある。
(2)中国、民間商船を信号情報収集の手段として活用
9月1日、ロイター通信は米政権当局者の話として、中国国営海運会社COSCO(コスコ)が商船に高度な信号情報(SIGINT)装備を密かに搭載し、米国など主要国の沿岸で軍事通信情報を収集して中国政府に提供していると報じた。米国側はCOSCO側の船舶による活動が単なる民間海運を超え、中国の軍事情報収集と海洋偵察を支援する長期的な情報協力の一部だと指摘した。
この報道を引用した軍事専門メディア「ザ・ウォー・ゾーン」は、COSCOの船舶をはじめとする中国の商船が世界各地で情報収集プラットフォームとして利用される可能性を指摘した。特に、商船という外見そのものが軍用情報収集艦よりもはるかに自然に作戦地域に接近できるという点で注目する必要があると強調した。
今回の問題の核心は、民間海運と軍事情報活動の境界がしだいに崩れている点にある。商船は平時にも世界の主要港や海上交通路を自由に行き来し、特定地域に長期間とどまることができる。そこに通信・電子情報の収集装備を隠して搭載すれば、軍艦や偵察機とは違い、相手国の警戒心を刺激せずに軍事的価値の高い情報を蓄積できる。
収集対象は、軍の通信やレーダー・電子装備から発生する電波信号である可能性が高い。こうした信号情報の収集は、単に特定の通信内容を入手することにとどまらない。どの地域でどの周波数が使用されているのか、軍部隊や艦艇がいつ活動するのか、レーダーや通信システムがどのような特性を持っているかなどを長期間分析すれば、相手国の電子的指紋(Electronic Signature)を構築できる。これは有事の際、電子戦や精密攻撃のための重要な基礎資料となる。
さらに重要なのは、中国がすでに膨大な規模の商船と港湾・物流ネットワークを保有しているという事実だ。したがって、別途の大規模な軍事プラットフォームを建造しなくても、民間船舶を活用して広範な海洋情報収集網を構築することができる。これは戦時だけでなく平時から相手国の軍事活動を継続的に監視できることを意味する。
中国は2017年に制定した国家情報法に、すべての組織と国民が国家の情報活動を支援しなければならないという具体的な条項を盛り込んだ。この法律は、国家が情報活動を行う団体を保護する義務を規定している。
今回のロイターの報道は、現代の海洋安全保障において「商船=民間船舶」という従来の前提がもはや安全でない可能性を示している。今後、軍事情報の収集は偵察衛星や偵察機だけでなく、世界各地を行き来する民間船舶や物流インフラまで含む、新たな次元の「民軍融合型情報戦」へと拡大する可能性が高い。
【ミリタリーブリーフィング】韓国が士官学校を統合する時…米国は「宇宙士官学校」新設(2)
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