光州(クァンジュ)ビエンナーレの展示会場に置かれた卓球台と、疑問符が描かれた横断幕は、スロバキア出身のユリウス・コレルの作品だ。中国と台湾の応酬に翻弄される今回のビエンナーレの状況と重なって見える。クォン・グニョン記者
今月4日、第16回光州(クァンジュ)ビエンナーレの開幕記者会見で、台湾館(Taiwan Pavilion)について質問されると、財団の尹凡牟(ユン・ボムモ)代表はこう答えた。当初は「NTMoFA(国立台湾美術館)」だった展示館の名称が「台湾館」に変更されたことに対し、中国の参加チームが「台湾は独立国家ではなく、中国の一部だ」と抗議して撤退した問題についての説明だった。しかし、「台湾館」を巡る騒動は一向に収まらない。この日も展示館の前では中国人が抗議活動を行った。全南光州(チョンナムクァンジュ)統合特別市と光州ビエンナーレは謝罪文を出したが、中国外務省と国営メディアは「『一つの中国』原則に挑むいかなる行為にも厳しく対処する」と圧力をかけ続けている。5日に開幕した麗水(ヨス)島博覧会に参加していた中国浙江省舟山市が、PR館の運営を取りやめる事態にもなった。
今回の問題は、光州ビエンナーレ財団がパビリオン(特別館)の名称を急きょ変更する過程で起きた。台湾文化部は、財団が「台湾館」という名称で協議を進めていたにもかかわらず、突然「NTMoFA」に変更したと抗議した。財団は「当初から国を代表する展示館ではなく、機関としての展示館という形で契約した」と反論したが、国内外の美術界から「政治的検閲だ」との批判が出ると、立場を翻した。先月25日、NTMoFAによる国別展示館への変更申請を承認した。
光州ビエンナーレは1995年、「光州の民主的な市民精神と芸術的伝統を基盤に、西洋化よりも世界化に、画一性よりも多様性に力を注ぐ」という趣旨の宣言文を掲げて発足した。パビリオン展示は2018年に始まった。「国別の展示は前近代的だ」との批判を受け、当初は海外の機関による展示で構成していたが、徐々に規模を拡大し、今年はスイスやブラジルなど16カ国と、NTMoFAなど11機関が参加する予定だった。中国と台湾が同時に参加するのは今回が初めてだ。
財団は、二つのパビリオンを併設した場合に起こり得る問題を考えなかったのだろうか。2014年まで光州ビエンナーレの代表を務めた、中国・同済大学建築学院の李龍雨(イ・ヨンウ)教授は「ビエンナーレは美術館の展覧会とは異なり、政治や社会について公に議論する場だ」とし、「状況を見極める目があれば、中国と台湾の双方を招待することはなかっただろう」と残念がった。問題が表面化すると急いで立場を翻すばかりで、なぜその判断をしたのか、基準を明らかにしなかったことも問題だ。国際化を急ぐあまり、中国と台湾が対立する場を提供する結果となった。
メイン展示を企画したシンガポールのホー・ツーニェン芸術監督は「パビリオンは別の行事であり、今回の問題がメイン展示についての議論を妨げないことを願う」と一線を画した。展示の規模を絞り、作品に集中しやすくしたものの、クォン・ビョンジュンとパク・チャンギョンの新作『プルリム』のために金属片を集めた市民や、322点の絵を出品した「五月の母の会」など、22カ国43組の努力は「台湾館」を巡る騒動に埋もれてしまった。
今年の光州ビエンナーレに投入された市の予算だけでも54億ウォン(約6億2500万円)に上り、韓国の国公立機関による単一の展覧会としては最大規模だ。ビエンナーレは本当に政治とは無関係の、純粋な芸術行事なのだろうか。11月15日まで開かれる今回の展覧会のテーマは「あなたは自分の人生を変えなければならない」。何を、どう変えるべきなのか。その問いが、ビエンナーレ自身に重く突き付けられている。
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