3日(現地時間)、ネパールのデビガットで増水したトリシュリ川付近で損壊した住宅が泥やがれきに囲まれている。 [AP=聯合ニュース]
米CNNによると、トランプ政権は昨年1月の発足直後、ネパールで2010年から行われてきた自然災害監視・予測に関する研究プロジェクトへの資金支援を中断した。
この事業は、米航空宇宙局(NASA)、米国際開発庁(USAID)、国際総合山岳開発センター(ICIMOD)が共同で推進していた「SERVIRヒンドゥークシュ・ヒマラヤ・プロジェクト」であり、衛星データなどを活用して土砂災害など自然災害危険地域を把握し、下流地域の住民の備えを支援する。
プロジェクトの元責任者ビレンドラ・バズラチャリヤ氏はCNNに対し「このプロジェクトは2026年まで続く予定だったが、昨年1月末に突然、事業中止の通知を受けた」とし「プロジェクトを段階的に終了させたり、他の機関に引き継いだりする時間もなかった」と主張した。
バズラチャリヤ氏によると、主要河川の流量予測や森林火災のモニタリングなど一部のプログラムは現在も運用されているが、洪水発生時に予想される浸水地域や範囲を示す地図サービスは中止された。また、米国の支援中断で、豪雨による土砂災害発生状況や危険度を把握する研究や、山の斜面の動きを感知して土砂災害発生の可能性を予測する技術の開発も完了しなかったという。
バズラチャリヤ氏は支援中断の背景としてトランプ政権による対外援助政策の変更を指摘した。トランプ大統領は昨年1月20日の就任直後、世界各地への対外援助の大半を凍結し、その後、イーロン・マスク氏が率いた政府効率化省(DOGE)などによる作業を経てUSAIDを事実上解体した。
バズラチャリヤ氏はたとえプロジェクトが継続していたとしても、今回の土石流を防ぐのは難しかっただろうと述べた。今回の土石流を起こした氷河の崩壊は極めて異例の現象であり、発生時期を予測して警報を出せるほど関連研究は十分に進んでいなかったと説明した。
専門家らはそれでも今後の同様の災害に備えるための研究は継続されるべきと指摘している。気候変動によりヒマラヤ地域の氷河が不安定になり、土砂災害の危険も高まっているだけに、危険地域を把握し、早期警報システムを開発するための長期的な研究が必要ということだ。
米コロンビア大ラモント・ドハティ地球観測所のマルコ・テデスコ研究教授は「土砂災害や氷河崩壊などに関する早期警報システムを開発するため継続的な取り組みが必要だ」とし「トランプ政権はこうした方向で進められてきた重要な取り組みを中断させた。従来のプロジェクトから資源を奪うことは我々が進むべき道ではない」と批判した。
これに対し米国務省はネパールへの災害対応支援そのものが中断されたわけではないとの立場を示した。国務省はCNNに対し「開発された一部の災害監視プログラムは国際総合山岳開発センターで引き続き運用されている」と反論した。
また、米国が世界気象機関(WMO)拠出金を通じてネパールの洪水被害軽減プログラムを支援するなど、別の経路での支援も続けていると説明した。米国立海洋大気局(NOAA)もネパール水文気象局(DHM)との業務協約を通じ、洪水の早期警報や災害対応訓練、予報データの改善などに向けた協力を進めていると話した。
この記事を読んで…