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【時視各角】国民を危険にするな=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
作家の柳時敏(ユ・シミン)氏が李大統領を「傲慢な権力者」と批判した際、与党陣営は極度の不快感を表した。直ちに「呪いをかけるな」といった反応が相次いだ。柳氏はその発言をしたユーチューブ番組で李大統領の支持率について「もうすぐ30%台が出てくる」と語った。ほどなくして李大統領の国政運営に対する肯定的な評価が38.9%という世論調査結果が発表された(リアルメーター、8月31日)。

しかし柳氏に特別な予知能力があって支持率の下落を的中させたとは思わない。リアルメーターは不動産をめぐる世論の悪化、大法官(最高裁裁判官)候補者の任命拒否をめぐる違憲論争、済州行方不明者事件で浮上した警察不信、与党陣営内部の対立などが支持率下落の要因になったと分析した。ほぼ同じ時期に行われたギャラップの調査でも、大統領の職務遂行に対する否定的評価の主な理由に不動産政策、検察権限縮小、経済・生活、道徳性問題・自身の裁判回避が上位4項目に挙がった。与党陣営の内部ではこれが支持層の離反かどうかをめぐる論争があるようだが、それは彼らだけの消耗的な議論にすぎない。世論調査を見る限り、支持率の下落は進歩・中道・保守、そしてすべての年齢層で共通して見られる現象だ。ただ、下がり方が大きいか小さいかという差があるだけだ。


実際、大統領の支持率が下がらない方が不思議な状況だ。住宅価格は急騰し、賃貸住宅は不足しているが、「居住していない」1住宅所有者に対して懲罰的な増税をするという税制改正。光州の女子高校生殺害犯チャン・ユンギ事件に続き、済州女性行方不明事件で明らかになった警察の虚偽と欺瞞。そのような警察に犯罪捜査の全権を握らせ、検察の補完捜査権を廃止した政権による刑事訴訟法改正。


支持率下落の主な要因である不動産危機と警察不信(検察の権限縮小)に共通するのは、国民の生活を危険にさらしている点だ。大失敗に終わった文在寅(ムン・ジェイン)政権の不動産政策を踏襲する現政権の強圧的な需要抑制策は、国民の住居を著しく不安定なものにしている。住宅を持つ人も持たない人もすべて被害者だ。補完捜査権の廃止を盛り込んだ改正刑事訴訟法の弊害は「犯罪者の天国、被害者の地獄が開かれた」という言葉に要約される。これは現場の弁護士や犯罪被害者の表現だ。犯罪者は法の網を逃れやすくなり、被害者が国家の保護を受けるのがはるかに難しくなった。

政府は、不動産税制改正に対して租税抵抗ともいえる反発が起こると、一部(非居住1住宅者総合不動産税など)で後退したが、改正刑事訴訟法については少しも動こうとしていない。

72年間維持されてきた刑事司法制度を全面的に変える改正刑事訴訟法は来月2日に施行される。これまで警察による誤った捜査を統制して不十分な捜査を補完してきた検察は、今後、捜査に関与できなくなり、警察が大部分の犯罪捜査に関する全権を握る。今後は警察の捜査が不十分で被害者が不当な扱いを受けた場合、被害者自身が自ら対応しなければならない。結局、弁護士の助力を受ける必要があるが、刑事事件で弁護士を選任するだけでも数百万ウォンの費用がかかる。お金がなければ犯罪者を裁判にかけることもできない「無銭不訴追」とはひどい話だ。市民の間では、電話による通報や事情聴取の際には録音が必須という「警察対応法」が共有され、刑事訴訟法を自ら学ぶ状況が広がっている。民主党は国選弁護人を利用すればよいという補完策を示した。自分がその立場でもそうするだろうか。

刑事訴訟法の施行まで1カ月も残っていない。警察がチャン・ユンギ事件や済州行方不明事件のように事件を握りつぶした場合、どのように真相を明らかにするのか対策はない。警察が検察による補完捜査の要求を適当にうやむやにしても対処する方法はない。検察の補完捜査権を廃止した改正刑事訴訟法がこのまま施行されれば、その弊害は力もお金もない一般国民に跳ね返ってくる。犯罪が裁かれない現実は弱者や被害者にとって地獄と変わらない。現政権はその責任をどのように負う考えでこのようなことをしているのか。今からでも改正刑事訴訟法の施行に向けた無謀な突進をやめて問題を正す必要がある。

30%台の支持率は一般的に政権の危機を示すシグナルと受け止められる。それは国民を顧みない政権に向けて送られた民意の警告だ。国民の生活を危険にするなということだ。

イ・サンリョル/首席論説委員



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