アップルのジョン・ターナス新CEO(左)とティム・クック前CEO。ターナス氏がクック氏を継ぎアップルは15年ぶりに新たなリーダーシップを迎えた。[写真 アップル]
時価総額世界2位の企業は新たな船長を迎えたが前途は順調でない。メモリー半導体供給難を乗り越えると同時に遅れていると評価される人工知能(AI)競争力を引き上げるという課題を抱え込んだためだ。
◇アップルチップ開発牽引した25年目の「製品通」
業界ではクック氏を「供給網」専門家、ターナス氏を「製品通」と評価する。
2001年にアップルに入社したターナス氏は、iPhone、iPad、Air Pod、Macなど核心製品のハードウエア開発に参加してきた。特にMacの「頭脳」をインテル製チップから独自設計したアップルチップに変更する作業を主導した。2021年からハードウエアエンジニアリング首席副社長を務めた。アップルカーの頓挫、ビジョンプロの販売不振などを体験したアップルが「製品通」を前面に出して突破口を探ろうとしているのだ。
クック氏は4月、「アップルの未来を任せる人物としてターナス氏より信頼できる人はない」としてターナス氏を後押しした。アップルはクック氏が退任後も取締役会議長として残り、主要な国家政策当局との疎通など一部業務を引き受けると明らかにした。
◇クック氏の強みである供給網、ターナス氏には初めての弱点
ターナス氏の最初の課題は供給網危機克服だ。ブルームバーグは「アップル内部でターナス氏がクック氏の専門領域だった供給網危機に対応できるか疑問が提起される」と伝えた。
実際に2011年にアップル創業者スティーブ・ジョブズ氏の後を継いだクック氏の競争力は供給網管理だった。独自の生産施設を整理し中国を中心に委託生産・適時供給(JIT)体系を構築した。協力会社に設備投資と技術を支援しながら複数の企業に注文を分け、価格や条件により生産先を移した。
韓国の業界関係者は「他の顧客の分までアップルに先に供給しなければならず、断れば注文を競合会社に移すと圧迫することもした」と話す。莫大な購買力という絶対的優位があったために可能な戦略だった。
この戦略を基にクック氏就任当時に6000万台水準だったiPhoneの年間出荷台数はその後2億5000万台まで増えた。同じ期間にアップルの企業価値は2970億ドルから一時は4兆9480億ドルまで増えた。
◇「スーパー甲」の供給網公式揺らぐ
クック氏が完成した供給網は逆説的にもアップルの足かせになった。成長を支えた中国製造生態系に過度に依存したことが弱点となったのだ。アップルの投資と技術支援により中国の協力会社の生産能力が高まったが、アップルは部品、装備、熟練人材が密集した中国の生態系から抜け出すことが難しくなった。米中対立後はインドなどに生産基地を分散しているが、中国を代替するまでは時間が必要だ。『アップル・イン・チャイナ』の著者パトリック・マギー氏は「アップルが中国から抜け出す過程は地獄のようだろう」と評価した。
15年のティム・クック時代に幕下ろすアップル…「折りたたみスマホ」でサムスンと大激突(2)
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